日本CHO協会(運営主体はパソナグループ)は、同協会の会員企業を対象に、「第2回 新型コロナウイルスの影響と働き方の変化に関する調査」を実施した。5月の緊急事態宣言下に実施した同様の調査結果と比較し、これまでの変化や現在の状況を把握するとともに、アフターコロナに向けた人事制度のあり方や働き方を考察した。
自社の雇用に関する影響は、前回調査と比べて全体傾向に大きな変化はなく、「雇用調整が必要」(7%)や「新規採用の抑制や凍結が必要」(31%)など、約4割の企業でマイナスの影響を予想している。「特に大きな影響はないため、従来の方針を継続できると思う」は、33%から41%と増加している。「現時点では全く予測できない」は15%から7%と減少し、雇用への影響についての見通しが明らかになってきた傾向が見てとれる。
勤務場所に関する現在の会社方針について聞いたところ、約7割の企業が場所の指定や一定の基準を示した。判断を現場に任せている企業は約2割に留まり、多くの企業で現場や個人の判断よりも、会社としての判断を重視している傾向がうかがえる。
在宅勤務の実施状況については、「50%~80%」とした企業が最も多く、次いで「30%未満」となった。前回調査と比較すると「ほぼ100%」「80%以上」がともに減少しており、緊急事態宣言発令下と比較すると、在宅勤務の実施が縮小していることが分かった。その一方で、在宅勤務の実施状況を「50%」以上と回答した企業は全体の半数近くに上り、依然として多くの企業で在宅勤務を積極的に実施している。
テレワークによる生産性への影響は、「プラス」「どちらかと言えばプラス」と回答した企業は合計で11%、「マイナス」「どちらかと言えばマイナス」と回答した企業は合計で27%。一方で、「現時点では評価が分かれる」という回答が27%に上り、評価が定まっていない現状も見て取れる。
テレワーク移行に伴い発生した業務遂行上の課題を聞いたところ、前回調査に比べて「ネットワーク環境の不備・未整備」や「パソコン等、テレワーク用機器の貸与」とする回答が減少し、「情報共有やコミュニケーションの仕組み・体制」や「メンタルヘルスケア」が増加した。緊急事態宣言を受けたテレワークの拡大によりインフラ面の整備が進んだ一方で、長期化するテレワークが従業員同士のコミュニケーションやメンタルヘルスに悪影響を及ぼしていることがうかがえる結果となった。