動画アップもしやすい「スマホ+動画」システムで従業員に発信
Salesforce Platformによって「見るものが分かる場所」が用意されたFEEL CONNECTION。しかし、長い文章や硬い文章、またPCを開いて読むタイミングがなかなか合わないなど、テキストのコミュニケーションには限界があった。
また、新型コロナウイルスの直撃により、1か月間の休業を余儀なくされ、その間は研修やミーティングも一切できなくなってしまった。9割が店舗での業務だったこともあり、エリアマネージャーや店長などからは自発的に「空いた時間をスキルアップに使おう」という声が上がった。ところが、社外からは社内の研修マニュアルが見られないなど、学ぶ環境が十分に提供されていなかった。
そこで、磯田氏が中心となり、社外でも各自のスマートフォンを介して手軽に研修が受けられる動画配信システムを企画。配信システムには、ブライトコーブの「Brightcove Engage」を採用した。とにかく早く、できるだけ簡単に、しかもセキュリティがしっかりしていること、そして動画のアップロードがしやすいこと――それらの要件の下、短期間で構築がかなったという。
さらに、FEEL CONNECTIONの社員だけが見られる動画アプリを開発し、新しい動画が上がったら必ず閲覧してもらえるように、全社員のスマートフォンにプッシュ通知を行うようにした。その結果、テキストによるメッセージ以上に閲覧率が上がり、さらに動画による説明で、体の動きや声の表現などを分かりやすく伝えられるようになった。
「声の大きさや低さ、体の位置や使い方など、言葉で伝えにくいものも、動画ならばひと目で分かる。当社は若いスタッフが多いこともあって、YouTubeやInstagramの動画などを見慣れている人が多く、一気に理解が広がったと感じている。それでもやはり自分の関心がなければ見てもらうことは難しい。すぐにPCを開ける環境でないこともあり、まずは見やすい環境を用意することが大事と考え、アプリを導入した」(相浦氏)
さらに、相浦氏は「動画配信を継続的に運営していくためには、閲覧する側だけでなく動画を配信する側にも“簡便さ”が重要事項であることは間違いない」と付け加えた。実は、以前にも動画配信システムを企画し導入したことがあったが、自社内にシステム担当者が不在で十分な運用ができず、自然と廃れてしまったのだという。それが今回導入したブライトコーブの動画配信システムでは、インターフェイスが分かりやすく、誰もが容易に動画の更新ができる。また、動画制作自体も家庭用ビデオカメラに加え、現在はスマートフォンで撮影するなど、簡便に扱える環境が整ってきたことで、快適な自走運営が可能になった。
磯田氏も、設計書や台本を作って上長や経営層に確認をとり、必要に応じてコンテも作成して、撮影はもちろん編集作業まで自分で行っているという。本セッションでは、自作したという研修動画を披露した。インストラクションのテクニカルスキルや、店舗の清掃オペレーションマニュアルなど、テーマはさまざま。セミナーの場合には飽きさせないように、紙を用意してワークを行いながら受講してもらうなどの工夫もしている。
磯田氏は「専門知識を持たない私がこうしたことができるのも、感覚的に使えるインターフェイスがあったから」と評し、「他のメンバーもすぐになじんで使っていた」と語った。