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コロナ禍で店舗に出られぬ中で高めた従業員エンゲージメント、切り札は「動画」だった

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2021/03/30 10:00

 フィットネス事業「FEELCYCLE」を中心にアパレル事業「DIFFERENTLY」やフード事業「FEEL&FOODS」を多店舗展開する株式会社FEEL CONNECTION。コロナ禍により、以前のように集合研修が難しくなり、従業員への企業理念浸透や研修に課題を持つ中で、それらの問題を解決したのは動画によるオンライン研修とモバイルアプリの活用だったという。同社はどのように動画を活用し、従業員エンゲージメントを向上させたのか。ブライトコーブ 大野耕平氏をモデレーターに、FEEL CONNECTIONの相浦誠氏と磯田亜美氏がその点を明かした。

モデレーター

大野 耕平

大野 耕平(おおの こうへい)氏
ブライトコーブ株式会社 Marketing Manager
大手独立系Slerにてソリューション営業を10年経験後、2016年にブライトコーブ入社。3年間の営業職を経験した後、19年より現職。様々な角度で企業における動画活用の啓蒙に注力し、様々なイベントやメディア取材で講演をしている。また、日本における大企業内での社内広報や従業員エンゲージメントにおける動画活用の提案も多数実施している

パネリスト

相浦 誠

相浦 誠(あいうら まこと)氏
株式会社FEEL CONNECTION 経営管理部システムグループ マネージャー
新卒で金融系システムの開発を行うシステムエンジニアとしてキャリアをスタート。その後、情報系システムの導入を行うSIerへ入社、BI・Bigdataといったデータ活用を推進するプロジェクトを担当。2017年、暗闇バイクエクササイズ『FEELCYCLE』 を展開する株式会社FEEL CONNECTIONに入社。プレイングマネージャーとして、社内外のシステム開発やデータ活用を担当し、事業利益の創出だけでなく、従業員エンゲージメント向上を目的としたDXの推進を行っている。

磯田 亜美

磯田 亜美(いそだ あみ)氏
株式会社FEEL CONNECTION FEEL ACADEMYグループ リーダー
新卒で人材紹介・派遣会社に入社。個人売上過去最高記録や管理者としてチーム売上過去最高記録を達成。2019年、株式会社FEEL CONNECTIONに入社。教育部門FEEL ACADEMYを立ち上げ、インストラクターの店舗業務の研修だけでなく、エンゲージメント向上の推進を行っている。

本記事は、2021年2月25日に開催されたオンラインイベント「HRzine Day 2021 Winter」でのセッション「~動画で従業員エンゲージメントを高める~ FEEL CONNECTIONが実践するニューノーマル時代のHR施策」をレポートするものです。

重要なメッセージをどう従業員に届けるか

 本セッションの冒頭で、ブライトコーブの大野氏より同社の動画配信プラットフォームの紹介がなされた。米国ボストンに本社を置き、現在は日本をはじめ13か国に展開しており、世界中のトラフィックの約2%を占める。日本でもテレビ局などのメディア、スポーツ・ライブ配信をはじめ、近年ではEコマースやEラーニングなどにも使われており、特に近年増えてきているのが社内動画配信だという。

 その背景について大野氏は「飲食業などデスクレスワーカーが増え、その対応が必要になりつつある。また、多拠点化が進み、リモートワークが普及し、さらに4Gが普及しきって5G時代に突入しようとしており、動画制作費も大幅に低下したことが大きい」と語る。

 そうしたブライトコーブが提供する社内動画配信サービスを導入しているのが、フィットネス事業のFEELCYCLEなどを全国41店舗で展開するFEEL CONNECTIONだ。“暗闇でバイクを漕ぎながら汗を流す”同社の暗闇フィットネスは、店舗のほか、大きな会場を貸し切って開催。過去には千葉・幕張メッセで1万人を集めたという。また、家庭用エクササイズバイク(FEEL ANYWHERE)の開発・提供も開始した。

 FEEL CONNECTIONで社内教育を担当するFEEL ACADEMYで、グループリーダーを務める磯田氏は、新入社員および社員の研修、インストラクターのテクニカルスキル以外の研修など、従業員エンゲージメントを高めるための施策企画・実行を担当している。

 「Let Your Life Be More Brilliant Through Creation of New Lifestyle(新しいライフスタイルの創造を通じて、関わる全ての人を輝かせよう)」を企業理念とし、「業務遂行能力」「対人関係能力」「物事の本質を見極める能力」「仕事に取り組む姿勢」「心身の健康」の5要素を軸として評価を行っており、磯田氏としても、従業員一人ひとりのエンゲージメントを高め、「働きがい」を感じてもらえるような教育・組織づくりに取り組んでいるという。

 例えば、優秀店舗のアワードや報奨旅行、社員研修のような学びの場などリアルの場を活用した関係づくりを行う一方で、自律性を重んじ、社員の提案による新店舗の開設や、アパレル事業、フード事業などの新規事業なども積極的に取り組んできた。

FEEL CONNECTIONが開催した優秀店舗のアワードと社員研修の模様
FEEL CONNECTIONが開催した優秀店舗のアワードと社員研修の模様

 グループウェアも導入した。しかし、ワークフローに特化されていたほか、グループ会社と共用だったこともあり、重要なメッセージが届きにくかったのが難点だった。

グループウェアはコミュニケーションツールとしてはミスマッチだった
グループウェアはコミュニケーションツールとしてはミスマッチだった

 そこで、Salesforce Platformを導入し、ワークフローに加え、チャット機能など現場とバックオフィスのデータを一元管理し、メッセージが伝わるような環境へと整備。ポータル画面では業務連絡だけでなく、経営層からのメッセージや、コールセンターに届いたお客様からの感謝メッセージなどを社内で共有できるようになった。

Salesforceのコミュニケーションプラットフォームの導入で従業員にメッセージを届けられるようになった
Salesforceのコミュニケーションプラットフォームの導入で従業員にメッセージを届けられるようになった
FEEL CONNECTIONの社内ポータル
FEEL CONNECTIONの社内ポータル

 このような従業員エンゲージメントの醸成を目的としたシステムの開発・管理を担うシステムグループでマネージャーを務めるFEEL CONNECTIONの相浦氏は、「お客様からの感謝メッセージには、感動のあまり涙を流すスタッフもいるほどだった。他にも報奨での海外旅行のレポートや、トップインストラクターの体験談なども掲載しており、当初は本部からのトップダウンの共有を第一の目的としていたが、現在は横のつながりの共有が増えてきた。それによって他の店舗やスタッフがどんな取り組みをしているのか、情報共有が活発化し、それがスタッフのモチベーションにつながるようになった」と評した。


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著者プロフィール

  • 伊藤 真美(イトウ マミ)

    エディター&ライター。児童書、雑誌や書籍、企業出版物、PRやプロモーションツールの制作などを経て独立。ライティング、コンテンツディレクションの他、広報PR・マーケティングのプランニングも行なう。

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連載:HRzine Day 2021 Winter セッションレポート
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