パーソルキャリアの転職サービス「doda(デューダ)」は、20~59歳のビジネスパーソン1万5000人を対象に、地方移住への興味や都市部から地方や故郷に転職した理由について調査を実施した。
「新型コロナ感染拡大の影響で、あなたは故郷や地方へ移住して仕事をすることに対してどの程度興味を持っていますか」と尋ねたところ、全体の約3割(29.2%)が「地方転職に興味がある」と回答。そのうち、「興味があり、すでに移住している」は2.6%、「興味があり、前向きに検討したいと思う」は7.9%、「まあまあ興味がある」は18.7%。なお、「あまり興味がない」は29.3%、「まったく興味がない」は41.4%という結果となった。
年代別に地方移住への関心を比較したところ、20〜30代の若い年齢層ほど関心が高いという傾向が見られた。「新型コロナ感染拡大の影響で、あなたは故郷や地方へ移住して仕事をすることに対してどの程度興味を持っていますか」という質問に対し、20代の37.0%、30代の30.2%が「興味がある」と回答しており、いずれも全体平均の29.2%を上回った。さらに、20代は「興味があり、すでに移住している」(3.3%)、「興味があり、前向きに検討したいと思う」(12.5%)のいずれも、他の年代と比較し最も高い結果となった。
近年、価値観の多様化や支援制度などが整備されたことにより、地方で暮らすことを選択する人が増えてきているが、コロナ禍によりその傾向がより一層高まったことが分かる。
転勤を除き、これまでに都市部から地方や故郷に転職した経験があるという人にその理由を尋ねたところ、1位は「実家がある」(44.9%)となった。生まれ育った土地で暮らしたいと考えている人が多いことがわかった。2位、3位はそれぞれ「自然にあふれた魅力的な環境」(20.9%)、「都会の生活に疲れた」(20.5%)で、生活の満足度が「上がった」という人の自由回答では「家賃が安くて部屋が広い」「長時間の電車通勤がない」など地方の生活コストの低さを挙げる声があった。
また、「食べ物がおいしい」「店やサービスを受けられる場所がコンパクトにまとまっているため効率的」など地方ならではの快適さを理由とする回答も見られた。一方、生活の満足度が「下がった」という人の自由回答では、「給与水準が低い」「利便性の高い都市部での生活に慣れていたので、地方の不便さを強く感じてしまった」など給与面の不満や都会と比べた不便さを挙げる声が多く見られた。