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大卒求人倍率調査、新卒採用は底堅くコロナの影響は限定的で求人倍率は1.50倍―リクルート

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 リクルートワークス研究所は、2022年3月卒業予定の大卒求人倍率(大学院卒含む)に関する調査を行い、結果を発表した。

 2022年3月卒業予定の大学生・大学院生対象の大卒求人倍率は1.50倍と、前年6月調査の1.53倍より0.03ポイント微減した。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大による経済停滞により、倍率は10年ぶりに0.3ポイント下落した。微減したものの1.5倍台を維持し、底堅い結果といえる。

 従業員規模1000人以上の大手企業を中心に採用意欲が回復。しかし、一昨年のような水準(1.83)までは戻らなかった。コロナ禍による景況感の不透明さにより、従業員規模1000人未満、特に300~999人の企業で採用予定数が減少したためだ。また、飲食店・宿泊業のような、コロナ禍の影響を受けやすい業種で、採用予定数が減少した企業が多かった。

 全国の民間企業の求人総数は、前年の68.3万人から67.6万人へと0.7万人減少(対前年増減率は-1.0%)。学生の民間企業就職希望者数は、前年44.7万人から45.0万人へと0.3万人増加(対前年増減率は+0.6%)。民間企業就職希望者数に対して、求人総数が22.6万人の超過需要となった[1]

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 2022年3月卒の求人倍率を従業員規模別に見ると、300人未満企業は1.88ポイント上昇、また300~999人企業も0.12ポイント上昇した。一方で、1000~4999人企業は0.25ポイント低下、5000人以上の企業も0.19ポイント低下した。

 企業側から見ると、従業員規模1000~4999人と5000人以上の企業で採用予定数が、それぞれ0.7%、3.0%増加した。一方で、従業員規模300人未満と300~999人の企業で採用意欲が減少した。これらの従業員規模の企業では、コロナ禍の影響が長引いている。

 また、学生の希望については、中小企業から大企業への揺り戻しが起きている。従業員規模300人未満と300~999人の企業を希望する学生は、それぞれ前年比35.7%、17.2%減少した。従業員規模1000~4999人と5000人以上の企業を希望する学生は、それぞれ前年比29.1%、51.0%増加した。

 従業員規模1000人未満の企業については、コロナ禍から採用数の回復が遅れているが、学生側の希望は大企業へと流れ、中小企業希望者数が減少したため、求人倍率が上昇する結果となった。従業員規模1000人以上の企業については、採用数は持ち直した。しかし、コロナ禍による不確実性が増したため、学生が安全志向で大企業を希望している。採用予定数の増加以上に、大企業希望者数が増加したため、求人倍率は低下した。従業員規模5000人以上と300人未満の求人倍率の差は4.87ポイントとなり、差が大きく縮小した前年(2.80ポイント)から、一転して拡大した[2][3]

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 業種別に見ると、建設業、製造業、流通業について、求人倍率がそれぞれ0.39ポイント、0.11ポイント、0.84ポイント上昇した。建設業や一部小売業では人手不足である状況は変わらず、またコロナ禍の影響を受けにくかった。一方で、金融業、サービス・情報業について、求人倍率はそれぞれ0.07ポイント、0.03ポイント低下した。金融業を希望する学生が増加したことや、飲食店・宿泊業や運輸業の採用需要の減少が原因である。コロナ禍の影響は、業種別によって傾向が分かれた[4]

[画像クリックで拡大表示]

[1]: 比較可能な期間における値。従業員規模別は2010年3月卒より集計を開始

[2]: いずれも比較可能な期間における値。従業員規模別4区分は2010年3月卒より集計を開始。

[3]: 前回の求人倍率について、企業調査は2020年6月に実施されている。したがって、コロナの影響を企業側が考慮した統計となっている。一方で、従業員規模別・業種別の求人倍率集計に必要な学生側のデータは、3月時点の調査を使用しており、コロナの影響が必ずしも反映されていない。つまり、コロナの影響で学生が就職希望先などを変更しているケースが反映されていないため、解釈に注意が必要である。

[4]: いずれも比較可能な期間における値。業種別は1996年3月卒(建設業と製造業は2010年3月卒)より集計を開始。

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HRzine編集部(エイチアールジンヘンシュウブ)

労務管理から戦略人事、日常業務からキャリアパス、HRテクノロジーまで、人事部や人事に関わる皆様に役立つ記事(ノウハウ、事例など)やニュースを提供しています。

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