出題範囲と例題
午前問題
28年度春期試験の午前試験におけるジャンル別区分は次のようなものでした。
午前試験の出題形式は、80問必須の四肢択一問題であり、時間が150分であること、基本情報処理試験(以下、基本)と応用情報処理試験(以下、応用)はまったく同一です。出題分野という点でも、次の出題範囲にあるとおり、基本と応用はまったく同一です。具体的に言えば「全分野」になります。
ただ、異なるのは、基本が「技術レベル2」なのに対し、応用は「技術レベル3」だという点です。例えば「ネットワークの電送時間を求める問題」で、下記の問題が出題されています。
【基本】
【応用】
例題の解答
- 基本 午前試験問31:エ
- 応用 午前試験問32:ウ
この2題の考え方は、まったく同じですが、応用の方が難易度が高くなります。LANとFTTHの両方を計算して、より速度の遅い方がネットワークとしての伝送効率になることを理解しておく必要があります。
このように、同じ分野の問題であっても、基本より応用の方が少し難易度が高いと考えてください。「少し」と書いたのは、実際には基本と応用の両方でまったく同じ問題が出題されていることも多数あるからです。
午後試験
午後試験については、問ごとにジャンルが固定されています。
午後試験は時間こそ150分で基本と同一ですが、試験の形式が大きく異なります。長文形式の問題(1問につき設問が複数)が計11問出題され、その中から5問を選択して解答します。問1のセキュリティは必須、残りの問2〜11までの中から4問を選択し、記述式で解答します。
基本も午後試験は長文形式の問題ですが、解答が択一式です。また問題文も応用の方が長くなっています。
記述式という解答形式について、不安に思われる方が多いと思いますので、ごく簡単に例題を挙げてみます。
例題の解答
- 午後試験問1 設問1-a:TLS
これは確実な知識がなければ答えられません。適当にマークして偶然当たることを期待するわけにもいきません。その意味で基本よりも難易度が上がります。
一方、分野の面でいうと、基本よりも選択の自由度が高くなっています。基本ではセキュリティとアルゴリズム(擬似言語)が必須で、5つのプログラミング言語の中から1問を選択する必要があります。ですから、プログラムを読めることが合格のためには絶対条件です。応用ではセキュリティは必須ですが、あとは11問から4問の選択になるので、プログラミングを外すことも可能です。得意なジャンルで点数を稼ぐという戦略が立てられます。