このワークショップがスタートした背景には、東日本大震災後にPMI日本支部が立ち上げた「災害復興支援プログラム」による復興支援活動がある。この活動においてPMI日本支部はプロジェクトマネジメントの専門性を活かしたプロボノとして支援を行ったが、成果を十分にあげられたものも、そうでないケースも存在していた。この活動で得られた教訓は復興支援にとどまらず、社会課題を解決する活動(ソーシャルプロジェクト)に共通して活かせるものであり、新しいPM手法の開発を行うために「ソーシャルプロジェクトマネジメント研究会」が設立されたという。
このワークショップでは、研究活動で得られた、ソーシャルプロジェクトに有効であると思われるマネジメント手法を取り上げ、「ソーシャルPM実践ワークショップ」として提供する。2016年から提供がスタートしているが、本年は昨年と研修タイトルは同様なものの、ワークショップでは異なるシナリオを取り上げ、新しい手法(メソッド)が導入される。
本年のワークショップ内容とスケジュールの予定、研修の狙いは次のとおり。
- ソーシャル・デザイン思考実践(2017年2月実施)
- 社会課題の本質を捉え、独創的なアイデアを創出し、ソリューションを提示する。
- ソーシャル・ベネフィットマネジメント実践(2017年4月実施)
- プログラムの立ち上げ辞典で、ミッション/ビジョン、戦略、計画、プログラム・弁フィットの関係性を明確化する。
- ソーシャル・ステークホルダーマネジメント実践(2017年6月実施)
- 多様なステークホルダーの期待をどうマネジメントするか、識別、影響力の発揮方法を理解する。
- ソーシャル・ポートフォリオマネジメント実践(2017年8月実施)
- 創出したアイデア、ソリューション、実施施策の投資価値を最適化する。
- ソーシャルビジネスモデルデザイン実施(2017年10月実施)
- ソーシャルビジネスとして成立させ、持続可能性のあるビジネスモデルデザインする。
- ソーシャル・アジャイルマネジメント実践(2017年12月実施)
- デザイン思考から創出したアイデアを短期間でサービス/成果物として構築し、社会・市場からフィードバックを得て改善を図る。
なお、2016年の参加費は無料だったが、本年から有料化されるとのこと。2016年に行われたワークショップの受講報告がこちらにまとまっているので、参加希望の人は一読してみるとよいだろう。