テキストを使った学習方法
LPIC取得の近道は、実機を使った学習だけではなく、テキストを使った学習も併用することです。テキストを使った学習におけるポイントを以下にまとめてみました。
テキストの種類
Linux標準教科書
LPI-Japanが無償公開している『Linux標準教科書』は、LPICの出題範囲を完全に網羅しているわけではありませんが、とても詳しくまとまっており、コマンドを実行したり設定ファイルを変更したりして学習をするのに最適です。読んで覚えていくというよりは、書いてあるとおりにLinuxを操作して理解していくという使い方がいいと思います。
市販の参考書(試験対策)
『Linux標準教科書』はとてもいいテキストですが、LPICの出題範囲を全てカバーできていません。そのため、市販の参考書も使用することが望ましいです。説明の分かりやすさやレイアウトの見やすさなどを比較して、フィーリングの合うものを選んでください。内容も大事ですが、読みづらさを感じる参考書を買ってしまうと学習が長続きしません。
市販の問題集(試験対策)
参考書だけでは試験の演習が不足する場合が多いです。別途、問題集で練習問題や模擬問題を解いておくと安心です。
テキストの使い方
テキストにはどんどん書き込む
大事なところやよく分からなかったところには、印をつけたり補足を書き込んだりしていきましょう。学習効率を高めるためにも有効ですが、試験が終わったときには自分だけの貴重な教科書になります。
分からなくてもいいので早めに1周する
ちょっとテクニック的なことになりますが、多少分からないことがあっても早めに「1周目」――テキストの最初から最後まで一通りやり終えたほうがいいです。1周することで、試験の全体像がつかめるからです。全体像をつかめるようになることは非常に大きいですし、その中でも分かったところ、分からなかったところが明確になるので、その後の学習効率が良くなります。1周した結果によっては、学習計画の見直しが必要になるかもしれませんが、それも早めに行ったほうがいいのはいうまでもありません。
体系的な学習
本稿の前編にも書きましたが、体系的な学習がポイントです。全体をもれなく網羅すると同時に、弱点を克服していきましょう。ここは誰のためでもなく、自分自身に正直になって、よく理解できているところとそうでないところを真摯に自己評価しましょう。
学習の計画と実行
学習の計画と実行だなんて偉そうに書きましたが、正直に言って、私が実際に学習をしたときにはそんなきちんとした計画はできていませんでした。手探りでひたすらやったと言わざるを得ません。ですが、その中で感じたポイントを少しまとめてみます。
計画を立てる
やはり最初に学習計画を立てましょう。計画の立て方や管理の手法にはいろいろありますが、それは本稿の主題ではないため割愛します。ここでは計画時に特に重要だと思うポイントに絞ってお伝えします。
目標(目的)
受験(資格取得)の目標や理由、取得するとどうなるのか、どうしたいのかということを書き出してまとめておくといいです。学習が辛くなってくると当初の目的を見失ってしまうことがあります。そんなとき、計画時に目的も整理してまとめておくとすぐに元の道に戻ることができ、挫折しづらくなります。
学習スケジュール
学習の計画だけではなく、受験日(合格予定日)も最初に決めておきましょう。受験申し込み日もスケジュールしておいたほうがいいです。LPICは受験日が自由に選べるので、受験日を決めておかないとずるずると先延ばしにしてしまいがちです。また、受験日の直前になってから申し込もうとすると、希望の時間や会場が埋まっていて予定日に受験できない場合があります。
加えて、自分自身が完遂できると思える計画を立て、学習が楽しみだと思えることが成功へのポイントかもしれません
学習進行中に気をつけたいこと
計画を立てたら、あとは実行していくだけです。自分で立てた計画とはいえ、計画どおりに学習が進むことは恐らくまれだと思います。当初の計画どおりに進められることが理想ですが、無理だと思うスケジュールのままではモチベーションの低下につながります。自分の気持ちに正直に向き合って、計画を見直すことも必要です。