NEXERが運営するWebサイト「キャリアバイブル」は、転職回数と合否の関係に関するアンケートを実施し、結果を公開した。
アンケートの概要は以下のとおり。
- 調査期間:2022年2月6日~7日
- 調査対象:面接官の経験がある全国の男女600名
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質問内容:
○ 質問1:転職志望者の「今までの転職回数」と「合否」について、当てはまるものを選んでください
○ 質問2:その回答の理由を教えてください
○ 質問3:転職回数が何回以上だと特に気になるかと、その理由を教えてください
○ 質問4:「転職回数」のみを理由に、志望者を不合格にしたことはありますか
※原則として小数点以下第2位を四捨五入し表記しているため、合計が100%にならない場合がある
今までの転職回数と合否、9%が「全く関係しない」
まず、転職志望者の「今までの転職回数」と「合否」がどれほど関係しているか質問したところ、「関係する」と回答した人が合わせて47.2%という結果となり、約半数が「今までの転職回数」と「合否」は関係すると考えていることが分かった。一方で、「全く関係しない」と回答した人の割合は9%であった。

次に、同社はそれぞれの回答者に対し、回答の理由について尋ねた。結果は以下のとおり。
かなり関係する理由
- あまり多いと採用してもまた転職してしまうのではないかと心配になる
- あまりに多いと我慢できない人なのかと思うから
- 自ら選んだ会社或いは仕事をころころ変わるということ自体、同僚とうまく人間関係を保てないか、飽きっぽい性格か、我慢できないタイプなど面接ではわからない問題があるから
- スキルアップなどの目標のある転職なら何度でも納得できるが、単に飽き性や協調性の無さの場合は論外
- 採用するのは大変なので長く続けて欲しい。転職の回数が多い人は、すぐに辞めてしまう傾向があるから、できれば採用したくない
- 回数が多いと、長続きしない人柄なのではという印象がある。
- 転職理由が致し方ない場合以外は、今後の定着にも課題がある人物と考えられるため、合格にすることは躊躇します
- 上昇志向なのかも知れないが、単に飽きっぽい性格なのではないかと思ってしまう
- 転職が多い人は転職癖があると思われるので理由がはっきりしなければ不採用にしていました
あまりにも転職回数が多いと、「うちの会社に入社してもまたすぐ辞めてしまうのではないか」と感じてしまう場合が多いのではないかと、同社は述べている。
多少関係する理由
- どのような理由で転職したかを知ることにより、その人の考えと意思ををみる
- 現在のような、就労環境では転職回数と合否は、直接関係はないと言えるが、転職に至った事由が本人の意欲、対人要素などの場合もあり、多少、懐疑的に対応せざるを得ない点は否定できない
- 人を雇用するにはそれなりの投資も必要で、すぐやめられては企業にとってマイナスである
- 1社での勤務期間が短すぎると採用しても長続きしないと思われるフシがある
- あまり多いと、その人の行動特性などに問題があるのではないかと考えてしまうので。そのため理由が納得できるものであれば、大丈夫だと思います
- 極端な例ですが、転職を繰り返し一つの職に長続きしない人は、面接での対応などでそのことを頭に入れないで見ても、落としたくなる人が多い記憶があるので
- 転職理由がネガティブなら、やる気や能力も疑うからです
- あまり頻繁に違う業種に転職しているのは、職業についての覚悟がないと思われる。また、環境適応性と順応性に乏しく、飽きっぽいのではないかと思われる
- すぐに辞められるとだめなので、どういった理由で辞めたのか、何年働いていたかは気になる
転職理由がネガティブな場合、やる気や能力を疑ったり、転職を繰り返して一つの職に長続きしない人は、結果的に落としたくなる人が多い記憶があったりすることが分かったという。
どちらともいえない理由
- 私は転職回数より、転職理由を重視した面接をしていたから
- 受け入れ側の条件にあえば特にこだわらない。転職回数に何か特別の問題があればべつに検討
- それより優先する事項があるが、全く考慮しないわけでもないから
- 回数だけでなく、期間も関係する。短期間で転職を繰り返す人間は採用しない
- 転職回数ではなく勤務年数、転職理由によるから
- あくまでも人物本位で、転職の回数よりも転職した理由を重視する
- 転職の原因が問題です。向上心、開拓心で転職した場合は有利ですが、仕事が合わなかったと短期間で転職したような場合は、忍耐力や融和力の問題があることが多いので、その都度事情を良く聞いて判断しました
転職回数よりも、転職理由やどれほどの期間で転職しているのかを気にする人が多いようだ。
あまり関係しない理由
- 今は、転職意思があり、自分の力量が発揮できると思えば、どんどん挑戦する時代だし、採用側もその意思を尊重し、採用する時代だと思う
- 過去の経緯はひとつの情報に過ぎず、あくまで合否はその時点での相性で決定する
- 各々の場所で違うので、うちに来たらどうなるのか見てみたいので
- 人それぞれその会社に合う合わないがある。その人がどうか!だけ
- キャリアアップのための転職ならばその向上心は評価します
- 本人が転職でステップアップしてきているのであれば良いと思うから
- 転職回数というより、その人の資質を見極める方が一緒に働く上で大事な要素なので。ただあまりにも転職回数が多いと、何か問題でもあるのだろうか? という気がして、そこを探ろうとしてしまうのは事実
- あまり短い期間の転職だと影響するかもしれないがある程度の期間の転職なら気にならない
- 過去の経歴よりも、今現在のやる気を重視したいから
ネガティブな理由ではなく、スキルアップなどの前向きな理由であればよいと考える人も一定数いることが分かったという。
全く関係しない理由
- 何回転職しようが仕事の意欲が大事だから
- 転職回数は人間関係とかのトラブルではなく、会社との相性の問題だと思うから
- 転職回数と能力は関係ないし、むしろ様々な経験を積んでいるということだから
- マッチングしなかったのが原因なので回数は問題ではない
- クリエイターの選考だったのでそれはまったく関係なかったです
- 転職理由や人物を評価し、自分がほしい人材だと思えば合格にしている
- 過去の転職と現在の力量とは別に評価すべき
- 本人の実力次第だが、仕事に対するそもそもの適正がある。これまでの経験も間接的に活かせる
クリエイターの選考であるため転職回数が関係ないという回答や、過去の転職と現在の力量とは別に評価すべきという回答が見られた。過去の転職回数が関係するかどうかは、職種によっても変わってくるかもしれないと、同社は述べている。
転職回数が何回以上だと特に気になる?
続いて、「関係する」と回答した人に、転職回数が何回以上だと特に気になるかと、その理由について尋ねた。回答結果は以下のとおり。
- 1~2回だと職場との相性でやむを得ずの転職とも考えるが、3回以上だとわがままではないかと感じる
- 年齢にもよるが、1年程度で転職繰り返したりしてたら気になる。すぐ辞められては教える方も迷惑だから
- 5回くらい。それぞれの勤務年数も気になる。仕事に限らずころころと職を変えるのは、根性ややる気がないと思われる
- 年齢による。30代で10回もあったら気になるし、50代で10回だったら気にならない
- 3回以上、1回目は新卒時のミスマッチ、2回目は不運にもいわゆるブラック企業に当たってしまったことなどは想定できるが、3回目となると根気を疑ってしまうから
- 継続して在職した年数とも関係しますが、数年以内の転職が4、5回あると本人にも問題があるのではないかと考えてしまいます
- 年齢によるが、20~30代で2回以上転職している人は避ける。40代以上で4回以上の転職をしている人は避けるようにしています
- 年齢にもよるので回数が何回とは断定できません。一つのところに最低3年くらい勤務していれば僕は気になりませんでした
- 実際に仕事についてみないとわからないこともあるので、回数は特に問題ではないが、年齢が上になってからの転職回数が多いのはちょっと問題ありかなとは感じる気がします
- 7~8回以上転職していて、2〜3ヵ月で何度も退職している場合は、短期間で退職する可能性があるので気になりました
- 回数よりも勤務期間が気になります。短期で転職する人は、当社も継続勤務できるか不安になります
転職回数については様々な意見があり、その人の年齢や転職理由にもよるという回答が多かった。
最後に、「転職回数」のみを理由に、志望者を不合格にしたことはあるか尋ねたところ、22.8%が「ある」と回答。その他の面で良かったとしても、「転職回数」が理由で不合格になってしまう場合もあることが分かったという。

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