凸版印刷は、従来の職能等級制度に「ジョブ型」の要素を加えた、「トッパン版ジョブ型人事処遇制度」の導入をはじめとする人事諸制度の改革を実施し、4月から導入を開始する。
同改革により、同社は経営戦略やビジネスモデルの変革と一体となった人材戦略を策定。その施策として、これまでの全職種統一の職能等級制度から、職群別の要素を取り入れた等級制度に再構築するほか、年功制の排除の観点から、各等級における在位年数も撤廃する。これにより、人材を能力・キャリアに合わせて適切に処遇できるようになると、同社は述べている。
そのほか、同社は以下のような人事制度の改革を行う。
- 評価の指標に、新たな項目として「持続可能な社会の実現」「ダイバーシティ」「人権の尊重」「社会的価値の創造」を加え、成長や行動革新のための方向性を示すことで、組織全体のパフォーマンス向上を目指す
- 定年を60歳から65歳に引き上げ、60歳以降も現役世代として、働けるようになる
- 社外兼業副業制度を整備し、「副業・兼業(月40時間を上限)」を通じて知見やスキルを得た社員による事業ポートフォリオの変革達成への貢献に期待
- 45歳以上の社員については一部、通常勤務時間帯での社外副業・兼業(週2日を上限)を認める「セカンドキャリア副業・兼業」制度をあわせて導入し、社員のセカンドキャリアを積極的に支援
- 現行60歳以降の再雇用制度である、シニア社員制度の上限年齢を65歳から70歳に引き上げ、最長70歳まで勤務できる制度に改定
「トッパン版ジョブ型人事処遇制度」では、これまで全職種統一で5段階設けていた等級を3段階とすることで、若手の抜擢を促進。一方で、上位等級については、「事務・管理部門」「営業・企画部門」「研究・開発部門」「DX部門」の4つの職群ごとに、「役割」や「職務」により最大6区分の「グレード」に格付けし、職群ごとの成果に応じた処遇につながる等級制度となる。
また、目標管理による評価制度は、半期ごとの業績に対する人事考課をこれまでの5段階から8段階とし、よりきめ細かくすることで社員の働きがいにつなげるほか、上位等級については、その考課と連動し半年ごとに洗い替えとなる手当を支給するなど、目標達成に向けた意識を高めるという。
昇給制度については加点主義の観点を取り入れ、従業員の「挑戦」に向けた行動を加点する一方で、考課によっては降格となる仕組みも導入。あわせて、降格後もリスキリング(学び直し)などにより自身を成長させ、等級に相応しいスキルや能力を再度身につけることで、再昇格も可能となる仕組みにしたと、同社は述べている。
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