CABOSは、企業と採用候補者の相性を数値化する適性検査サービス「CABOS」のβ版を、3月1日よりSaaS型のHRTechサービスとして無料でリリースした。
同社は、コロナ禍で加速する採用のオンライン化により、採用ミスマッチが問題視されていることに着目。2021年10月に厚生労働省が発表した「新規学卒者の離職状況」によれば、直近20年間の大学卒における3年以内の離職率は、ある1年を除き「30%超え」で推移しているという。
また、2018年3月に内閣府が発表した『子供・若者の現状と意識に関する調査』によれば、初職の就業先の離職理由は下記2つが大部分を占めている。
- 「仕事が自分に合わなかったため」(43.4%)
- 「人間関係がよくなかったため」(23.7%)
これらの調査結果から、採用プロセスにおいて「相性の見極めができていない」ことが原因で、ミスマッチが起こっていることが分かると、同社は述べている。
加えて、現在コロナ禍での採用のオンライン化が進んでおり、企業と採用候補者のお互いの理解不足がこれまで以上に加速することで、ミスマッチの問題が悪化し、早期離職者の増加が懸念される。
以下は、採用のオンライン化による採用担当者と候補者への影響に関する調査結果である。
採用担当者
- 「応募者の人柄や雰囲気が伝わりづらい」(70.6%)
- 「応募者とのコミュニケーションがしづらい」(57.8%)
ZENKIGEN/シード・プランニング発表 2020年10月『企業による新卒者の採用活動に関する市場動向』より
候補者
- 「企業を訪問しないと社内の雰囲気や設備などがわからない」(75%)
- 「対面で話さないと面接官や社員の人柄が分かりづらい」(72%)
エンワールドジャパン発表 2020年8月『グローバル人材のオンライン面接意識調査』より
一方、コロナ禍でのWeb面接の導入により、応募者が増えているという調査結果もある。
- 「コロナ禍でWeb面接を導入し、42.3%が応募者数が増えた」
ジェイック発表 2021年4月『2022卒 新卒採用 企業調査(第1回)』より
候補者が増加することで、一人ひとりとの相性を精査する時間がとれなくなることが予想されるという。しかし、採用候補者の人数が多いと、限られたリソースの中では全候補者一人ひとりとの相性を十分に吟味することは難しい。
そこでCABOSは、全候補者が90の質問に回答することで、客観的な相性をランキング形式で表示。企業にとって必要な人材がひと目でわかるようにする。組織に関する質問への回答を基に分析を行い、独自のアルゴリズムで企業と採用候補者の相性を数値化する技術を活用しており、現在同社は特許を出願中だという。
同サービス上での相性は、「親和性」と「スタンス」の2軸で数値化される。「親和性」は「特定の採用候補者が特定の企業の社風に合うか」を表し、「スタンス」は「特定の採用候補者が特定の企業で活躍できるか」を表す。
採用候補者の相性分析以外にも、以下のようなメリットが期待できるとしている。
入社後の配属の参考になる
部署をはじめとする企業内の任意のグループと、採用候補者との相性も可視化できるため、入社後の最適な配属をイメージして採用することも可能。入社後に新入社員を適材適所に配置することで、パフォーマンスの向上が期待できる。
採用手法の最適化による金銭的・時間的コストの削減
タグを採用候補者に紐付けすることができるため、各企業にとって相性のいい人材がどのような属性をもち、どの採用チャネルから流入しているのかが分かる。その結果を基に、企業は効果的かつ効率的な採用手法に絞った採用活動ができる。
【関連記事】
・シニア人材の実態や若手への影響に関する調査、シニアの働き方は若手の離職に影響―パーソルHD
・コロナ禍で潜む約6割の「離職予備軍」半年後に顕在化の可能性―OKAN
・心理的安全性は「離職」「職場満足度」など経営課題に影響―Unipos調べ