カイラボは、新卒入社後3年以内に会社を辞めた若者(以下、早期離職者)へのロングインタビューと調査をまとめた『早期離職白書2022』を5月30日に発行した。また、同書に収録された内容を含む、早期離職者へのインタビューを紹介するWebサイト「早期離職.com」を5月24日にオープンした。
毎年秋に厚生労働省が発表する「新規学卒者の離職状況」によると、2021年時点の大卒新卒者の3年以内離職率は31.2%。これはほぼ例年通りの水準である。一方で、人手不足が深刻化する中「新入社員が辞めてしまった」「若手社員の離職率が高くて困る」という声も多くの企業から聞かれる。同書は、若手社員の離職に悩む企業の経営者や人事担当者に、なかなか知ることのできない若者の本音を知ってもらうために発行したという。同書では、2021年〜22年にかけて行った独自調査と、インタビューの結果を伝えるとともに、企業がとるべき対策についても「5つの対策と7つのステップ」としてまとめている。
また、同社は、2012年以降、計300名以上へのインタビューを通じて、早期離職につながる要因は「存在承認」「貢献実感」「成長予感」の3つであるとしている。同書では、それぞれの要因の詳細についても紹介している。
なお、同書の正規版(オンデマンド印刷またはkindle)はAmazonで購入できる。また、ダイジェスト版(PDF)を無料でダウンロード配布している。
「早期離職.com」においては、同社が2012年に以降に行った早期離職者へのインタビューのうち、本人掲載許可が得られたものを公開している。業種別や卒業年別などで検索が可能なため、特定の業界の早期離職者の声を知りたいときに活用できるという。
また、今後は、早期離職者へのインタビューだけではなく、早期離職対策に取り組む企業へのインタビューや、組織開発や人材教育の研究者、コンサルタントなどへの専門家インタビューも掲載予定だとしている。
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