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人材マネジメントと人事データ活用 事例ファイル | #3(AD)

NECが全社で取り組むエンゲージメント向上、確証のある打ち手を導き出したプロセスとは

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サーベイ結果を具体的な打ち手にまで落とし込む

――サーベイを本格的に実施して得たメリットは何でしょうか。

山岸 サーベイによって、NECの現状や課題を明確に見える化できたことが、大きな収穫だと思っています。人事歴が長いと、どうしても感覚で「こういう施策をしたほうがよい」と考えてしまいますが、データを見ながらファクトベースで会話できるようになるのは非常に有効だと思います。

 しかし、可視化する重要性を感じている一方で、データの見せ方や扱い方次第では、物事の解決につながらないケースもあると思います。そもそも、日本全体でデータを扱った経験のある人材が少なく、手法が確立されていない点も課題ですが、扱い方によってデータはいくらでも印象操作できるので、注意しなければならないと考えています。

中村 サーベイなどで得られたデータに対して、まずは主観的な見方をしないことが大切だと思います。そのため、サーベイで得られたデータを見るときには、サーベイサービスの会社が提供してくれた分析結果を先に見るようにしています。これは、自分たちの感覚でサーベイ結果を見てしまうと主観的な解釈を加えて、間違った課題設定をしてしまう懸念があるためです。例えば、自分が主張したいことを軸にデータを確認すると、どうしても部分的に偏った視点で見てしまうものです。偏った見方をしないことは、サーベイを実施する際に特に注意していることといえます。

――サーベイ結果を受け取った後、どのようなアクションを取っているのでしょうか。

中村 中期経営計画で掲げたエンゲージメントスコア50%達成に向けてのマネジメント課題を明らかにするため、サーベイのインパクト分析の結果、課題領域として「個人の裁量権」というものが浮かび上がりました。そこで、この課題を解決するために必要な施策を調べるべく、Code of Values(NECの行動基準)が職場で実行できているか追加調査を実施しました。このサーベイの分析では、どちらかというとトップダウンの結果が可視化されるため、その時々の結果に合わせて別の手法を組み合わせ、課題を深掘りしています。追加調査で得たデータは定量分析(因果分析による構造化・可視化)を行い、そこから気づき・解釈を得ます。その後、定性インタビューを経て具体的な施策へと落とし込みました。

インパクト分析を受けて行った独自プロジェクトのプロセス
インパクト分析を受けて行った独自プロジェクトのプロセス
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 Code of Valueについての追加調査で尋ねたのは、次に示す33項目です。

Code of Valueについての追加調査で尋ねた33項目
Code of Valueについての追加調査で尋ねた33項目
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 因果分析には、NEC独自のAIツールである「causal analysis」を用いました。その分析の結果、個人裁量権の課題にアプローチするためには、心理的安全性が必要であること、さらにその前提としてマネージャーの共感発信が必要となることが分かりました。

causal analyticsによる因果分析で導き出された課題へのアプローチ
causal analyticsによる因果分析で導き出された課題へのアプローチ
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 こうして掘り下げていった分析の結果から得られた、チームのエンゲージメント向上につながるメカニズムが次の図です。マネージャーが共感発信することでチームメンバーに生まれる価値から心理的安全性が高まり、それを土壌として個人裁量権を拡充することによって、社員の積極的な挑戦と期待以上の成果のサイクルが回り、エンゲージメントが向上していく形です。

共感発信からエンゲージメントが向上するまでのメカニズム
共感発信からエンゲージメントが向上するまでのメカニズム
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山岸 ちなみに、毎回causal analysisによるAI分析を行っているわけではありません。インパクト分析で出てくる課題は毎回異なるので、その課題に対してどう深掘りしたらよいか、その都度考えて追求しています。

中村 この分析では、心理的安全性を高めていくために共感発信が必要であると分かったため、最終的にマネージャー向けの研修実施につなげました。インパクト分析の結果から、やみくもに施策を講じるのではなく、より詳細の分析を加えて、施策の優先順位や内容に落とし込むようにしている点が重要です。

山岸 先ほどもお話ししたように、人事歴が長くなるとどうしても「この施策をやればよいのでは」と、感覚で意思決定をしがちです。HRデータを活用することで、なんとなく感覚で決めていた物事の裏付けがとれるのは大きなメリットだと思います。

次のページ
感覚で行ってきた人事施策からファクトベースの取り組み方へ

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この記事の著者

市古 明典(HRzine編集長)(イチゴ アキノリ)

1972年愛知県生まれ。宝飾品会社の社員、辞書専門編集プロダクションの編集者を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、2017年7月にエンジニアの人事...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

横内さつき(ヨコウチ サツキ)

中小企業の採用コンサルタント/人事労務・金融など専門領域の編集者・ライターとして活動する複業フリーランス。パーソルキャリアで求人広告営業、人材系スタートアップにて子育て世代や外国籍向け人材事業を経験。生命保険やカフェ店長、Web制作会社など、異業種の経験も豊富に持つ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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