アッテルは、「日本企業のピープルアナリティクス現状アンケート調査2022」を実施し、その結果を発表した。なお、ピープルアナリティクスとは、社員の人事・行動データを収集・分析して、人事業務の意思決定に活用する技術のこと。
調査の概要と結果は以下のとおり。
- 対象:人事・採用担当者300人
- 方法:インターネット
- 期間:2022年5月12日~5月13日
人事・採用担当者でピープルアナリティクスを知っている人は昨年とほぼ変わらず36.7%のみ。約半数の企業が、ピープルアナリティクスは全く導入されていないと回答
「ピープルアナリティクス」という言葉と意味を知っているかと聞いたところ、「はい」と答えた人事・採用担当者は36.7%、「いいえ」が63.3%と、知らない人が半数を超える結果となり、62.3%が知らないと答えた昨年の調査とほぼ同じ結果となった。
「ピープルアナリティクスはどのステップまで取り入れられているか」という質問には、55.7%が「全く導入されていない」と回答。導入している会社でも「データの蓄積・可視化ができている」が17.3%と最も多く、データを集めているだけで終わってしまっている会社が多いことも分かった。
また、「人事は感覚的に行われていると思うか」という質問に対しては、55.3%が「はい」と回答。昨年の66%より多少減少したものの、まだ日本企業の多くが勘や経験に基づく意思決定に頼っていることが明らかになった。
人事・採用データを定量的に分析していると回答したのはほぼ半数。しかし、成果につながっていない企業が6割超え
ピープルアナリティクスを知らない、または導入していないと回答した担当者が多い一方で、「人事・採用データを定量的な視点で分析しているか」という質問には、「はい」が50.7%と半数以上がデータ分析をしていると回答した。
「分析したデータを何に役立てているか」聞いたところ、「採用」が75%、「適正評価」が64.5%、「適正配置」が63.8%と続いた。同社はこの結果について、「昨年はどの回答も3割以内だったため、様々な場面で役立てようとしている企業が増えたといえそうだ」と述べている。
しかし、「活躍する人材、退職しやすい人材の傾向を定量的に把握し、打ち手に繋げているか」という質問には、67%が「打ち手に繋がっていない」と答えており、昨年の74%からは多少減ったものの、データの分析がうまくいっていない、結果につながっていない企業が多いことが分かる。
ピープルアナリティクスを有効に活用するためには“適性検査”が重要だと考える担当者が半数以上
ピープルアナリティクスが全く導入されていないと回答した167人に、「今後ピープルアナリティクスの考え方や仕組みを導入したいと思うか」聞いたところ、「はい」が26.9%と一定数はいたものの、「わからない」と回答した人が最も多く55.7%を占めた。
しかし、全員に「ピープルアナリティクスを有効に進めるために適性検査は重要だと思うか」と聞いたところ、半数以上の52.7%が「はい」と回答。採用や配置において適性検査が重要な役割を担っていることを理解し、正しく導入・分析したいと思っている人が多いことも分かった。
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