日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)は、「新人・若手社員のOJTに関するアンケート」を実施し、その結果を発表した。
調査の概要は以下のとおり。
- 調査形式:Webアンケート方式
- 調査時期:2022年7月8日~15日
- 調査対象:新入社員・若手社員の育成施策担当者1000名
調査の結果については、同社は以下のように述べている。
約9割の企業が、新人・若手社員へのOJTに「課題がある」と回答
「新人・若手社員にOJTを行っていますか」という質問では、新入社員に対して90.5%、2年目社員に対して63.7%、3年目社員に対しては55.4%の回答者が「OJTを行っている」と回答した。多くの企業で新人・若手社員の育成に導入されているOJTだが、一方で、9割もの回答者が「課題がある」と感じていることが分かった。
OJTの主な課題は、「指導者」に関する課題
OJTの主な課題について聞いたところ、1位は「指導側に余裕(時間)がない」(64.7%)、次いで、「指導にバラツキがある」(63.6%)、「指導側の意識や能力が不足している」(42.0%)となり、主に「指導者側」に課題があることが明らかになった。また、「職場内に育てる文化が根付いていない」(39.9%)、「在宅勤務などが増え、新人の状態を把握できていない」(19.2%)などは、テレワークが増えたことにより、課題感が増していることが予想される。
具体的な改善策は、「OJTの仕組み化」
OJTの課題について、「改善策を検討しているか」という質問には、約9割が「見直しを検討している」と回答した。具体的な改善策を聞いてみると、1位は「現場に任せていたOJTを仕組み化する」(40.2%)だった。OJTを仕組み化することで、課題に挙がっていた「指導のバラツキ」を減らしたいという意図がうかがえる。「OJTにチーム制を導入する」(16.2%)、「トレーナーの人数を増やす」(14.4%)も指導側の問題を解決するために有効な方法と考えられるが、日常の仕事に追われている現場の実態を踏まえると人数を増やすことは現実的ではないのだろう。育成企画側や現場の苦労が見て取れる結果となった。
【関連記事】
・オンライン通年伴走型新人フォロー研修「新入社員共育プログラム」を提供開始―リクルートMS
・コロナ禍での新入社員サポート策としてキャンプ新人研修&ブラザー制度を開始―ファイブニーズ
・データ&テクノロジー人材対象の新人事制度と育成・キャリア形成を支援するフレームワークを導入―EY Japan