帝国データバンクは、企業が求める人材像について調査を実施し、その結果を発表した。
調査の概要と結果は以下のとおり。
- 調査期間:2022年9月2日~5日
- 有効回答企業数:1550社
- 調査方法:インターネット調査
「コミュニケーション能力」と「意欲的」が4割超、大企業は新卒、中小企業は中途をメインに採用
採用活動において、どのような人材像を求めているかを尋ねたところ、「コミュニケーション能力が高い」(42.3%)と「意欲的である」(42.2%)が4割超となった(3つまでの複数回答、以下同)。次いで、「素直である」(35.0%)、「真面目、または誠実な人柄である」(31.8%)、「明るい性格である」(21.9%)となった。
主に採用するのは新規卒業者か、就業経験のある中途入社者かを尋ねたところ、「新卒採用がメイン」は21.3%、「中途採用がメイン」は56.6%となった。ただし企業規模別で見ると、大企業の48.8%が「新卒採用がメイン」と回答した一方、中小企業では「新卒採用がメイン」とした企業は16.9%にとどまり、60.0%が「中途採用がメイン」と回答している。小規模企業ではおよそ3社に2社の企業が「中途採用がメイン」(63.5%)としており、企業規模が小さいほど即戦力として期待できる中途採用の割合が高まっている。
新卒は「育成するうえで必要な基本的資質」、中途では「専門的スキルと誠実さ」
求める人材像について、採用形態別の新卒と中途で5ポイント以上の差がある項目を見ると、新卒採用をメインとする企業では、「コミュニケーション能力が高い」「精神的にたくましい」の割合が高くなった。他方、中途採用をメインとする企業では「真面目、または誠実な人柄である」「専門的なスキルを持っている」の割合が高くなっている。
「技術職として資格取得や現場での経験を積んでいくためには、専門的なスキル以上に、年配者や有資格者とのコミュニケーション能力などが求められる」(一般土木建築工事、北海道)、「肉体的にも精神的にもタフな人であれば、仕事に修練できると考える」(麺類製造、大阪)といった声が企業から聞かれるように、新卒者に対しては、将来的にどのような職種に進むとしても、入社後に業務を教え育てていく上で必要となる基本的な能力・資質が求められている。
一方で、中途入社者に対しては「ソフトウエア開発技術者を求めているが、未経験者を雇用すると生産性が出せるようになるまでの期間が長くなってしまうため、どうしても専門的スキルを有している人材となる」(ソフト受託開発、東京)、「顧客の秘められたニーズを掘り出し解決するためには、話が上手いかよりも、根底にある人柄をもとにした信頼関係が一番大事となる」(工業薬品製造、群馬)との声があるように、即戦力として業務に従事できる能力や、誠実で信頼できる人柄が求められていることが明らかとなった。
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