パーソルキャリアは、11月の転職求人倍率をまとめた「doda転職求人倍率」を発表した。doda転職求人倍率は、中途採用市場における需給バランスを表すもので、dodaの会員登録者(転職希望者)1人に対して、中途採用の求人が何件あるかを算出した数値。
11月の転職求人倍率は、前月から+0.11ポイントの2.23倍となった。求人数は前月比102.3%、前年同月比144.6%だった。転職希望者数は前月比97.4%、前年同月比114.0%となった。
求人数は、業種別では12業種(「その他」は除外)のすべてで前月から増加した。最も増加率が大きかったのは「コンサルティング」(前月比105.1%)、次いで「人材サービス」(前月比104.9%)だった。職種別でも11職種(「その他」は除外)のすべてで前月から増加し、増加率が最も大きかったのは「事務・アシスタント」(前月比104.8%)、次いで「エンジニア(機械・電気)」「専門職(コンサル・金融)」(前月比104.1%)となった。
11月の解説および翌月以降の見通しについては、同社は以下のように述べている。
中小企業による事業承継需要の増加を受け、「コンサルティング」の求人増加率が最大
11月の求人数は、2020年9月から27ヵ月連続で増加し、前月に引き続き過去最高値を更新した。求人増加率が最も大きかった「コンサルティング」では、M&Aに関連する企業でコンサルタントや市場分析のポジションを募集する求人が増えた。これは、新型コロナウイルス感染症による中小企業の事業承継需要が増加し続けていることが影響していると推測される。
一方で転職希望者数は、例年、年末にかけて減少する傾向にあり、今年も同様の動きとなった。これらの動向を受け転職求人倍率は11月も上昇し、過去最高値を更新した。
新型コロナウイルスの感染拡大「第8波」が懸念される中でも、企業の採用活動への影響はほぼない見込み
12月は、経済活性化による企業の採用意欲の高まりが継続すると考えられるため、求人数は増加が予想される。一方で、転職希望者数は、11月に引き続き減少傾向にあるため、転職求人倍率は上昇する見込み。今後、新型コロナウイルスの感染拡大第8波が懸念される中でも、企業の採用活動への影響はほぼないと考えられる。
【関連記事】
・10月「doda転職求人倍率」を発表、求人数は26ヵ月連続で増加し外食関連の伸びが顕著―パーソルキャリア
・9月「doda転職求人倍率」を発表、求人数は前月比103.9%で過去最高値を更新―パーソルキャリア
・8月「doda転職求人倍率」を発表、前月比2.09倍で過去最高値を更新―パーソルキャリア