学情は、企業・団体の採用担当者を対象に、2024年卒の採用状況に関して、「選考の実施形式(対面かオンラインか)」を調査し、その結果を発表した。
調査の概要は以下のとおり。
- 調査期間:2023年1月5日~1月31日
- 調査対象:全国の企業および団体
- 有効回答数:1862件
- 調査方法:インターネットでのアンケート調査
調査の結果については、同社は以下のように述べている。
面接の実施形式は「対面のみ」が27.4%で最多
面接の対面とオンラインの実施比率は、「対面のみ(対面:オンライン=10:0)」が前年を1.8ポイント上回り27.4%で最多に。次いで、「対面:オンライン=5:5」が24.0%で続いており、対面での実施比率を高める傾向がみられる。
企業セミナーは「対面:オンライン=5:5」が最多、前年最多「オンラインのみ」は3.2ポイント減
企業セミナーの形式別の実施比率は、対面とオンラインが同程度の「対面:オンライン=5:5」が17.6%で最も多かった。一方、前年最多だった「対面:オンライン=0:10」(オンラインのみ)は前年から3.2ポイント減の14.7%に。対面回帰の傾向が表れている。
内定辞退対策の最多は「懇親会(対面)」(61.1%)、次いで「先輩社員との面談(対面)」(41.9%)
内定辞退対策に関しては、「懇親会(対面)」が61.1%で最多に。前年から9.6ポイントの伸びとなっている。同じく「先輩社員との面談(対面)」(41.9%、同4.8ポイント増)、「人事担当との面談(対面)」(36.9%、同0.5ポイント増)など、対面でコミュニケーションが図れる場を設ける企業の割合が増加している。
売り手市場の環境下においては、1人の学生が複数社から内々定を得ることも多く、内定辞退は採用活動における大きな課題となっている。内定者同士、あるいは学生と社員が直接顔を合わせることで、会社の雰囲気や社員の日常を知ることで、入社意欲を醸成したいという意向があると推察される。
インターンシップの実施形式は「対面のみ」が34.8%で最多、「オンラインのみ」は減少
インターンシップの対面とオンラインの実施比率は「対面のみ(対面:オンライン=10:0)」が34.8%で最多。一方で「オンラインのみ(対面:オンライン=0:10)」は前年比8.8ポイント減の20.2%となった。
オンラインでは学生が居住地を問わず参加できる反面、ワークなどの疑似体験が中心になり、実際の仕事を体験することは難しく、企業の雰囲気もつかみにくいという側面がある。同社が2024年卒学生を対象に実施したインターンシップの満足度に関する調査では、「対面形式」のインターンシップは、91.8%の学生が「満足」と回答しているのに対し、「オンライン形式」は「満足」の回答が78.1%のとどまり、「対面」と「オンライン」では13.7ポイントの開きがあった。学生の企業理解や満足度なども考慮し、対面の実施比率を高めた企業が多いと考えられる。