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新入社員が仕事で成し遂げたいこと「安定した生活を送りたい」が過去最高に―ラーニングエージェンシー調べ

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 ラーニングエージェンシーおよびラーニングイノベーション総合研究所は、2023年入社の新入社員を対象に「新入社員意識調査」を行った。

 調査の概要は次のとおり。

  • 調査対象者:同社が提供する研修の受講者
  • 調査時期:2023年4月1日~4月11日
  • 調査方法:自記式またはWEBでのアンケート調査
  • サンプル数:4428人
  • 属性
性別
  1. 男性:58.8%(2602人)
  2. 女性:39.7%(1758人)
  3. 不明:0.2%(9人)
  4. 無回答:1.3%(59人)
所属企業の従業員数規模
  1. 1人~50人:6.9%(305人)
  2. 51人~100人:14.9%(661人)
  3. 101人~300人:35.9%(1,590人)
  4. 301人~1,000人:15.3%(676人)
  5. 1,001人~5,000人:16.2%(718人)
  6. 5,000人以上:5.4%(239人)
  7. 不明:5.2%(230人)
  8. 無回答:0.2%(9人)

 調査の結果とそこから見える実情について、同社は以下のように伝えている。

入社式後の新人の気持ち、半数以上が「不安」「緊張」と回答

 入社後の現在の気持ちを質問したところ、「不安」と回答した新人が34.8%と、最も多い結果となった。次に「緊張」が21.7%、「期待」が14.9%と続いた。一部の新入社員は新たな門出を前向きに捉えているものの、半数以上は「不安」や「緊張」と回答する結果であった。

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 次に、現時点で「不安」に感じることは何か質問したところ、「仕事についていけるか(仕事の難易度)」が64.9%と最も高い結果となった。「生活リズムや社会人としての考え方の習得」が45.9%、「社会人の基礎的なマナーの習得」が41.0%と続いた。

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 2位となった「生活リズムや社会人としての考え方の習得」は、同社が昨年実施した若手社員の意識調査で、1年目の新入社員が入社前後に感じるギャップを調査した際も、7割がギャップを感じると回答しており、最も高い項目だった。さらに、そのギャップを感じた人の約25%が「会社を辞めたくなった」というネガティブな印象を抱いていることも明らかとなっている。

 このように、入社時に感じた不安はその後の離職意向に影響する可能性もあるため、入社時に抱いている不安を軽視せず、解消するためにどのようなサポートが必要なのか考えていけるといいだろう。

仕事を通して成し遂げたいこと「安定した生活を送りたい」が過去最大

 仕事を通して成し遂げたいことを質問したところ、「安定した生活を送りたい」が65.8%で最多となった。この割合は過去最大の結果となり、2019年以降4年連続で増加している。

 次に、「自分を成長させたい」と回答した割合が57.8%となった。この項目はコロナ禍前の2020年までは増加傾向にあったものの、その後は減少し続けている。

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約7割が「楽しくてやりがいのある仕事」をやりたいと回答

 今後どのような仕事をしていきたいかと質問したところ、「楽しくてやりがいのある仕事」が68.8%で1位、「自分の成長につながる仕事」が48.2%で2位となった。「楽しくてやりがいのある仕事」は、昨年より4.2ポイント減少したものの、5年連続1位となっている。また、「自分の成長につながる仕事」は、過去5年間で最も低く、昨年より7.1ポイント低い結果であった。

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20代の時間の使い方「プライベート優先」が10年前から約4倍に

 20代の時間の使い方として、「仕事」「自己投資」「プライベート」と何を優先していきたいと考えているか質問した。

 その結果、「仕事とプライベート優先」と回答した割合が27.7%と最も高くなり、2020年以降1位の「仕事とプライベートと自己投資をバランス良く」に逆転した。

 過去10年間で比較すると、「プライベート優先」が毎年増加を続けており、10年前と比べて約4倍となる。また「仕事とプライベートと自己投資をバランス良く」は10年前の34.8%から減少傾向にあり、今年は18.6%となった。

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成長するために必要なものは「仕事を通じた成功体験・失敗体験」

 「自分が成長するために必要なものは何か」を質問したところ、「仕事を通じた成功体験」が64.9%を占めた。次に「仕事を通じた失敗体験」が60.9%、「上司からのフィードバック」が53.8%と続く。自分の成長には、現場での仕事の体験や経験を積むこと、またそれに対する上司や先輩からのフィードバックが必要だと考える新入社員が半数以上いることが分かる。

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キャリアアップにつながる理想の上司は「間違いを指摘して正してくれる上司」

 自分のキャリアアップにつながる理想の上司がどのような上司か質問したところ、「間違いを指摘して正してくれる」と回答した割合が57.4%となった。「自分のことをよく見てくれ、声をかけてくれる」が41.1%、「具体的に手順を細かく教えてくれる」が40.9%と続いた。上司から間違いを指摘されたり、手順をしっかり教えてもらうことが自身のキャリアアップには必要であり、上司とは小まめなコミュニケーションをとっていきたいと考えているようだ。

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 以上の結果を踏まえ、ラーニングエージェンシーは次のようにまとめた。

 「今年の新入社員は、自身が成長するためには『仕事を通した成功体験』『失敗体験』『上司や先輩からのフィードバック』が重要と考えていることが分かりました。また、キャリアアップのためには『間違いを指摘して正してくれる上司』や『自分のことをよく見てくれ、声をかけてくれる上司』の存在も重要であると考えているようです。新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う各種の制限により、オフラインの社会経験や対面コミュニケーションの機会が少ないとされがちな新入社員ですが、だからこそ『体験』から得る学びや、上司とのコミュニケーションを重視しているのかもしれません。

 いつの時代も、組織の人材育成の方針や施策は、その時代の価値観に沿って行われてきました。『背中を見て育て』で育てられてきた時代や、『仕事優先』という考え方が一般的であった時代もありました。近年ではこうした育成施策を積極的に取り入れる企業は減り、『ワークライフバランス』に対する考え方も変化しています。従来と同じ施策で今年の新入社員に同じ価値観や育成施策を強要することは、不安を助長してしまう危険もあります。彼らの不安に寄り添い、成長軌道に乗せてあげるようなフォローなどが有効かもしれません。

 世代間のギャップがあることは理解しつつ、そのギャップを恐れすぎずに適切に関わり、新入社員がPDCAを自分で回していけるような成長のサポートしていけるとよいでしょう」

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HRzine編集部(エイチアールジンヘンシュウブ)

労務管理から戦略人事、日常業務からキャリアパス、HRテクノロジーまで、人事部や人事に関わる皆様に役立つ記事(ノウハウ、事例など)やニュースを提供しています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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