花王は、「ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョン(以下、DE&I)方針」を公開した。社員、ビジネスパートナー、生活者を含む社会といった各ステークホルダーとともに、DE&Iの実践を促進し、社会と事業のさらなる発展を目指すと同社は述べている。
社員のDE&I
- 目標
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- 2030年までに女性管理職比率が全女性比率と同じ
- 2030年までに社員エンゲージメント調査における「Inclusiveな組織風土」に関する設問の肯定回答率が75%
- 主な取り組み
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- 女性活躍推進の取り組み
- 障がいのある社員の活躍推進に関する取り組み
- LGBTQ+社員の活躍推進の取り組み
- インクルーシブな組織風土醸成
同社は、最も多くの人材に関わるダイバーシティ要素として女性活躍推進に力を入れており、「すべての社員が思い込みを超えて、個人の意欲と能力が十分に発揮され、性別によらず自分らしく活躍できる職場環境の整備と風土醸成」という方針を掲げている。女性管理職比率と女性社員比率に差がある日本では、「リーダーをめざす、担える人財育成」「意欲高く働くための仕事と育児の両立支援」「バイアスのない育成や登用を実現するマネジメント教育」の3つのアクションに取り組んでいるという。
ビジネスパートナーとのDE&I
- 目標
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- 2025年までにサプライヤーにおいてSedex回答100%完了
- 2025年までに小規模パーム農園までのトレーサビリティを100%完了
- 2025年までに花王グループで使用するパーム油をRSPO認証油に100%切り替えをめざす
- 2021年~2030年インドネシア独立小規模パーム農園(約5000農園/18000ヘクタール)の支援実施
- 2022年~インドネシア独立小規模パーム農園に対して、グリーバンスメカニズムを導入
- 主な取り組み
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- 責任ある原材料調達
- 取引先に求めるパートナーシップ要件に基づくサプライヤー総合評価
- インドネシア小規模パーム農園支援「SMILE」プログラム
- グリーバンスメカニズムの導入
2020年に開始した支援プログラム「SMILE」では、同社とアピカルグループ、アジアンアグリの3社が、インドネシアの独立小規模パーム農園5000件を対象に、生産性向上、持続可能なパーム油に対する認証(RSPO)の取得を2030年までの11年間支援するとしている。これにより、労働者の安全やQOLの向上、農家の生活改善を実現し、公平な社会に貢献するとともに、持続可能なサプライチェーンの構築を目指すという。
社会のDE&I
- 目標
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- 2030年までにすべての新製品と改良品が花王ユニバーサルデザインガイドラインに適合している
- 主な取り組み
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- ユニバーサルプロダクトデザイン
- シャンプーのきざみに込められた思い
- ミライロとの協働
同社はこれまでも、誰にでも使いやすい製品の開発・提供を推進しており、1991年には目をつぶっていてもシャンプーとコンディショナーの容器を区別できるように、シャンプーにギザギザの「きざみ」を入れた。さらに同社は日用品業界に働きかけ、現在ではほとんどのシャンプーできざみが採用されている。
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