地方中小企業が抱えるIT課題
近年、DXやAI、IoTといったキーワードが喧伝される一方で、とくに地方中小企業においては、IT化・デジタル化がなかなか進んでいません。2021年の中小企業白書によると、設備投資に占めるソフトウェア投資比率は、大手企業では10%を超えるのに対し、中小企業は5%前後と半分程度となっています。また2010年以降、大手企業はソフトウェア投資比率が上昇傾向にありますが、中小企業は横ばいです。大企業と中小企業のIT化・デジタル化の差は、ますます拡大しているといえるでしょう。
中小企業のIT化・デジタル化の遅れにはさまざまな理由がありますが、人材不足はとくに大きな割合を占めていると思われます。たとえば、DXに取り組むにあたっての課題の上位2つが「DXに関わる人材が足りない」「ITに関わる人材が足りない」であることからも、人材不足がデジタル化を阻んでいることが分かります。
また、地域別のDXの取り組み状況を見ても、東京や政令指定都市などと比較して、地方中小企業では実施している割合が低くなっています。地方では、都市部のようにITの専門知識を持つ人材を集めることは難しく、新しいテクノロジーの導入やシステムのアップデートに遅れが生じているようです。
さらに、経済産業省が公表した「IT人材需給に関する調査」によれば、IT人材は年々その不足が大きくなるという予測です。加えて、大企業は内製化を進めているため、地方中小企業がIT人材を確保することは、今後ますます難しくなってくると考えられます。
こういった状況の中で、地方中小企業はIT人材をどのように採用・活用するべきなのでしょうか。