エフェクトは、中小企業の経営者を対象に「人的資本経営の実態と課題感」に関する調査を実施した。
人的資本経営を重視しているも課題の多い経営者が多数
「人的資本経営の展開について、どの程度重要視していますか?」と質問したところ、「とても重要視している」(47.3%)、「やや重要視している」(36.8%)という結果となり、約85%の経営者が人的資本経営を重要視していると回答した。
また、「人的資本経営について、課題に感じることはありますか?」と質問したところ、「(課題はあれど)何をすべきかわからない」(18.7%)、「(課題はあれど)どこから手を付けるべきか悩んでいる」(39.2%)、「(課題はあれど)まだ何も手をつけていない(つけられていない)」(23.8%)、「十分できている(課題はない)」(18.3%)という結果になった。
約4割の企業が人材研修を行っていない
続いて、「次のうち、自社内で教育のために行っていること」を尋ねたところ、「仕事の裁量は個々に任せている」(34.3%)が最も多く、次いで「聞かれたことは丁寧に細かくフィードバックしている」(30.9%)が続いた。
さらに、実施している研修を質問したところ、「何も行っていない」(42.7%)が最多となり、次いで「マネジメント研修」(28.1%)が続く。人的資本経営の重要さを認識しているにもかかわらず、人材研修を行っていない企業が4割以上であることが分かった。
約4割が人材教育・研修の成果が「持続しない」と回答
人材教育や研修を行っていると回答した経営者に、「教育・研修の効果はどのくらいありますか?」と質問したところ、「その場は効果があるが持続しない」(37.0%)が最多となり、次いで「自分の仕事に応用させることが難しい」(27.3%)が続いた。
そこで、「成果が出ていない理由や原因について把握できていますか?」と質問したところ、「あまり把握ができていないと思う」(53.1%)と答えた経営者が最多となった。「全くできていないと思う」(31.9%)と合わせて約85%が、研修の成果が出ていない理由を把握できていないことが分かる。
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査概要:「人的資本経営の実態と課題感」に関する実態調査
- 調査期間:2023年11月7日~8日
- 調査方法:リンクアンドパートナーズが提供する調査PR「RRP」によるインターネット調査
- 調査人数:1006人
- 調査対象:調査回答時に中小企業の経営者であると回答したモニター
- モニター提供元:ゼネラルリサーチ
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