登壇者
井出 翔子(いで しょうこ)氏
株式会社マイナビ キャリアリサーチラボ 主任研究員
2015年入社。「マイナビ独立」の立ち上げを経て、2018年、新卒領域の大手クライアント専任の営業担当として従事。メーカー、マスコミ、金融、コンサル、通信、官公庁等様々な企業に対して総合的な企画・提案に携わった経験があり、企業動向についての知見が深い。
長谷川 洋介(はせがわ ようすけ)氏
株式会社マイナビ キャリアリサーチラボ 研究員
新卒採用領域を担当。2017年中途入社。「マイナビ転職」の求人情報や採用支援ツールの制作に携わった後、現職。就職活動中の学生を対象にした調査や、就職活動生の保護者調査などを担当し、若年層の思考や世代間ギャップなどに関心を持つ。その他関心領域は、エッセンシャルワーカー、SFプロトタイピングなど。
ゲストスピーカー
上田 勝幸(うえだ かつゆき)氏
株式会社 DAY TO LIFE 執行役員 経営管理本部 本部長 兼 人事部 部長
国家検定2級キャリアコンサルティング技能士
国家資格キャリアコンサルタント
松岡 海唯(まつおか みゆ)氏
株式会社 DAY TO LIFE 国内営業本部 RC営業部 ビアードパパJR吹田店 店長
同社のインターンシッププログラムに参加後、2023年に新卒入社。
採用活動の早期化が続くも、充足率に改善は見られず
まず井出氏が、25卒における内々定率の進捗を紹介した。25卒の8月時点での内々定率は89.8%。6月時点ですでに8割を超えており、現行の採用スケジュールとなった17年以降初めてのことだという。また、3月1日時点での内々定率も、34.3%と昨年を大きく上回っていることが分かる。
この背景には、企業の採用意欲の高さがあると井出氏は指摘する。
「『マイナビ2025』の掲載社数は約2万9400社と過去最多となりました。また、調査では、3割以上の企業が採用数を増やすと回答しています」(井出氏)
採用意欲の高さは、採用活動の早期化にも現れている。
「面接開始予定時期を調査したところ、5月以前に面接を開始する企業が94.0%となりました。一方で、6月時点の採用充足率は40.0%と、例年と比べて大きな改善は見られません。また、6月時点で『採用予定数の確保は難しい』と回答した企業の割合は約半数と、新卒採用の厳しい状態が分かります。内定式が行われる10月に内定者がそろっていない企業も少なくないようです」(井出氏)
新卒採用の目的に変化 人手不足の深刻さが表れる
さらに井出氏は、企業の新卒採用を行う理由が変化していることに注目。25卒の採用活動では、「将来の幹部候補・コア人材の確保」が下がっており、「前年に新卒を採用できなかった」「退職者の増加」が上がっていることが分かる。目下の人手不足解消のために新卒採用を実施する企業が増えているようだ。