最近では、表計算ソフト、統計解析ソフト、BI(ビジネスインテリジェンス)ツール、そして機械学習プラットフォームなどさまざまなツールが普及し、「分かりやすい図表でデータを整理すること」「統計解析を行うこと」が以前よりも手軽に実現できるようになりました。しかし、人事データ、特に評価データには、さまざまな癖があります。それを理解せずに集計・分析し、その結果に基づいて改善施策などを検討しても、そもそもの前提がずれている可能性があるため、せっかくの結果が無駄になってしまうかもしれません。そこで今回は、評価データを分析する前に、知っておくべきポイントをご紹介します。
今回の「人事データ活用入門」について(編集部)
本記事は、人材育成や組織開発などの支援を行う株式会社リクルートマネジメントソリューションズの「連載・コラム」コーナーで、2016年10月17日に公開されたこちらの記事を、同社のご協力によりIT人材ラボへ転載しているものです。
実は人事データの質はバラバラ
一口に人事データといっても、さまざまな質のデータがあります(図表01)。

「(1)行動履歴データ」と「(2)個人属性データ」は、客観的な事象を示すデータです。よって、「記録ミス」「申告漏れ」「虚偽申告」などがなく、正しく保管されていれば、実態を忠実に示すデータといえます。
では、「(3)自己回答/自己評価データ」と「(4)他者評価データ」はどうでしょうか。ご自身の経験を振り返ると、本当に実態を表しているのか、疑問や不安を抱かれるかもしれません。今回は、自己評価と他者評価に潜む「甘辛バイアス」と「反応スタイル」の2つの罠をご紹介します。
自己評価と他者評価に潜む、「甘辛バイアス」の罠
まず、「自己評価」について考えてみましょう。日々、全く同じ行動をしているAさんとBさんがいるとします。その2人が、日頃の自分の行動を振り返って何らかの設問に回答する場合、結果は図表02のようになりました。
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入江 崇介(イリエ シュウスケ)
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ 組織行動研究所 マネジャー 主任研究員 兼 HR Analytics & Technology Lab 所長
2002年東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻にて修士課程(学術)修了後、株式会社人事測定研究所入社。アセスメント、トレーニング、組織開発の商品開発・研究に...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

