今回の「人事データ活用入門」について(編集部)
本記事は、人材育成や組織開発などの支援を行う株式会社リクルートマネジメントソリューションズの「連載・コラム」コーナーで、2016年10月17日に公開されたこちらの記事を、同社のご協力によりIT人材ラボへ転載しているものです。
実は人事データの質はバラバラ
一口に人事データといっても、さまざまな質のデータがあります(図表01)。
「(1)行動履歴データ」と「(2)個人属性データ」は、客観的な事象を示すデータです。よって、「記録ミス」「申告漏れ」「虚偽申告」などがなく、正しく保管されていれば、実態を忠実に示すデータといえます。
では、「(3)自己回答/自己評価データ」と「(4)他者評価データ」はどうでしょうか。ご自身の経験を振り返ると、本当に実態を表しているのか、疑問や不安を抱かれるかもしれません。今回は、自己評価と他者評価に潜む「甘辛バイアス」と「反応スタイル」の2つの罠をご紹介します。
自己評価と他者評価に潜む、「甘辛バイアス」の罠
まず、「自己評価」について考えてみましょう。日々、全く同じ行動をしているAさんとBさんがいるとします。その2人が、日頃の自分の行動を振り返って何らかの設問に回答する場合、結果は図表02のようになりました。