平成21年度春期から始まった現行制度での試験実施は、平成28年度春期で15回目となる。慣例的に7年おきに試験制度が改められてきた情報処理技術者試験だが、しばらくは改訂の動きはないようだ。
代わりに、情報セキュリティマネジメント試験がこの春期試験からスタート。最近相次ぐ不正アクセス事件や情報窃取事件などの影響からか、企業からの問い合わせも多い模様だ。政府も情報セキュリティ対策には力を入れており、2015年度の補正予算案では、2015年度当初予算の1.6倍にあたる520億円がサイバーセキュリティ予算に計上された。主な受験者層をITプロフェッショナルでなく、ITユーザーとする試験だが大勢の受験が見込まれそうだ。
情報セキュリティスペシャリストを含め、平成28年度春期に実施される試験は次のとおり。既存試験については大きな変化はない。
- 情報セキュリティマネジメント試験(SG)
- 基本情報技術者試験(FE)
- 応用情報技術者試験(AP)
- プロジェクトマネージャ試験(PM)
- データベーススペシャリスト試験(DB)
- エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)
- 情報セキュリティスペシャリスト試験(SC)
- システム監査技術者試験(AU)
ただし、昨年10月の出題範囲の改訂で、午前試験において、セキュリティ分野の知識項目が追加された。情報セキュリティマネジメント・情報セキュリティスペシャリスト以外の受験者も、セキュリティに関する学習は増やしたいところだ。
資料:IPA 「情報処理技術者試験の出題範囲」2015年10月改訂版(変更箇所表示版)
なお、受験手数料(いわゆる受験料)は従来の5000円から、5700円に若干値上げされている(すべての試験共通)。
受験申し込みの受付期間は、個人がインターネットで申し込む場合、2月26日(金)20時まで。郵送で申し込む場合、2月15日(月)消印有効となっている。代替申し込みも可能。受験申し込みの詳細や最新情報は、情報処理技術者試験センターの「受験申込み」ページを参照してほしい。