レバレジーズが運営する「ハタラクティブ」は、中途採用担当者を対象に、キャリアの空白期間に関する正社員採用の実態調査を実施した。
なお、同調査における「キャリアブレイク」とは、離職・休職などを通じて、一時的に雇用から離れ、人生と社会を見つめなおす期間のことを定義している。
キャリアブレイクを「知っている」は約4割にとどまる
キャリアブレイクについて知っているか質問したところ、「言葉も意味も知っている」が38.3%、「言葉は聞いたことがあるが、意味は知らない」が34.5%と、合わせて7割以上の企業がキャリアブレイクを認知していることが分かった。
企業規模別で見ると、社員数1000人以上の企業では認知度が8割を超える一方、30人未満の企業では半数に満たない認知度となった。社員数30人未満の企業と、1000人以上の企業で認知度を比較すると、約1.6倍の差があることが分かる。キャリアブレイクの考えや価値観が全体に浸透するまでには、一定の時間が必要とされると考えられるという。
候補者のキャリアの空白期間が採用に影響する理由
キャリアの空白期間が採用判断に影響する理由で最も多かったのは、「仕事への耐性が弱そうだから」が52.5%。次いで、「身体的・精神的な理由の休養で離職していた場合、それが再発しそうだから」が47.5%、「仕事への意欲が低そうだから」が35.6%と続いた。
なお、「即戦力ではないと思うから」が12.4%、「年齢の割に経験が浅いと思うから」が18.1%だったことから、候補者の経験やスキル面よりも、体調面やメンタルヘルス面を懸念する企業が多いことが分かる。
一方、選考に影響しない空白期間の理由としては、「留学やワーホリなどの海外経験」が59.3%で最も多く、次いで「結婚・産育休などのライフイベントに関すること」が58.4%、「家族の看病・介護」が55.5%と続いた。自己成長や、やむを得ない事情でキャリアブレイクをした場合、採用にそこまで影響しないと考える企業が多いと分かる。
約4割の企業が「キャリアブレイクは採用判断に影響しない」
中途社員を採用している企業の37.4%が、候補者のキャリアに空白期間があったとしても「採用判断に影響しない」と回答した。
一方、空白期間があることは採用判断に「影響する」と答えた企業の32.8%が、「1年以上の空白期間は採用判断に影響する」と回答した。長期的な空白期間に対して、柔軟な姿勢を示す企業は一定数存在することが見受けられる。
どのくらいの空白期間があれば面接で確認するかを聞いたところ、「半年未満」が30.1%で最多となり、次いで「1年以上」が26.8%、「1年未満」が23.9%と続いた。「3ヵ月未満」は2割以下となり、キャリアブレイクは採用判断に「影響する」と回答した企業でも、3ヵ月未満程度の空白期間では、採用に大きな影響を及ぼさないと考える企業が多いことがうかがえる。
なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査対象:現在中途採用をしている人事334名
- 調査年月:2024年11月12~14日
- 調査方法:インターネット調査
- 回答者数:中途採用担当者334名
- 調査主体:レバレジーズ
- 実査委託先:GMOリサーチ&AI
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