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【採用広報】戦略の立て方——選ばれる企業になるための発信設計 | 第2回

「誰に、何を、どのタイミングで伝えるか」を具体化する—採用広報を機能させる情報設計の思考法—

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 「採用広報に力を入れているのに応募が来ない」「noteもSNSも始めたのに母集団が増えない」——こうした悩みをよく耳にします。情報発信を十分に行っているはずなのに、なぜ成果につながらないのでしょうか。それは多くの場合、「誰に」「何を」「どのタイミングで」伝えるのかという基本設計が曖昧であることに起因しています。採用広報は、マーケティングと非常に似た構造を持ちます。ターゲット(求職者)を理解し、彼らが求める情報を、適切なチャネル・適切なタイミングで届ける。戦略的な“情報設計力”があってはじめて、「伝わる広報」になるのです。今回はその第一歩として、「採用ペルソナの設計」「情報ニーズの深掘り」「ターゲット別コンテンツの最適化」「採用カスタマージャーニーに基づいたタッチポイント設計」の4つの観点から、実践的な方法をご紹介します。

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採用ペルソナの設計:「誰に伝えるか」を言語化する

 採用広報の出発点は、「どんな人に応募してほしいか」を具体化することです。ここが曖昧なままでは、どれだけ良質なコンテンツをつくってもターゲットには届きません。

 たとえば、「若手を採用したい」という要望があったとしても、“若手”とひとくくりにすることはできません。都市部で総合職を志望する人と、地方出身でUターンを希望する営業経験者とでは、価値観やキャリア観はまったく異なり、情報の刺さり方が違います。

 そこで有効なのが「ストーリーベースのペルソナシート」です。単なる属性の羅列ではなく、架空の求職者を1人の人物として描くことで、ターゲットの内面や行動導線を想像しやすくなります。下記はその一例です。

ペルソナシートの例
ペルソナシートの例
[画像クリックで拡大表示]

 このように、想定人物像(ペルソナ)を「1人の“物語”」として描くことで、「誰に届けるのか」を具体的にイメージできるようになります。

 そして、このシートを経営陣や現場責任者と共有することで、全員が「この人に来てほしい」と合意でき、コンテンツの方向性に自然と一貫性が生まれるのです。

情報ニーズを把握する:「何を伝えるか」を掘り下げる

 採用広報では、「自社の魅力を伝える」のではなく、「相手が知りたい情報を提供する」という視点の転換が重要です。

 そのためには、既存社員や候補者の声を通じて、情報ニーズを把握する作業が不可欠です。有効な手法として、次のようなヒアリングや簡易アンケートがあります。

社員ヒアリングの例(入社3年以内対象)
  • 入社前にどんな情報があったら安心できたか?
  • 応募の決め手になった要素は?
  • 面接前に不安だったことは?
  • 入社後に感じたギャップは?
内定辞退者アンケートの例
  • 他社に決めた理由は?
  • 比較検討したときに足りなかったと感じた情報は?
  • 発信情報と実際の印象で、ズレを感じた部分は?

 ここで重要なのは、回答を「何人が言っていたか」と単なる数字で捉えず、「どんな言葉で語られていたか」に注目することです。

 たとえば、「オフィスの雰囲気が静かで、思っていたより個人主義だった」「チームワークが強いと聞いていたが、業務は個人作業が多かった」など、語られる言葉の選び方には、その人の本音や感情が表れます。そこに、改善や発信のヒントが眠っています。

 また、Slackや社内チャットの自然なやりとりも、社風や空気感を象徴する生のデータ(ストック型情報)として分析・活用する価値があるでしょう。

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この記事の著者

小澤 美佳(コザワ ミカ)

2008年に株式会社リクルートに入社。中途・新卒採用領域の営業・マネージャーを経て、リクナビ副編集長として全国の大学でキャリア・就職支援の講演を多数実施。大手からベンチャーまで幅広い企業のHR支援に携わり、採用・定着・育成・インナーブランディングなどに精通。2019年にITベンチャーへ転職し、広報部署を立ち上げ、メディア露出やSNS活用を通じて採用強化に貢献。2023年、兼業で株式会社令和PRを設立し、経営戦...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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