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HRzine Day 2025 Summer セッションレポート | #13

安斎勇樹氏が説く「冒険的世界観の組織」とは何か? なぜいま必要なのか? どうつくっていくのか?

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組織と従業員を正しくつなげる、これからの組織モデルとは?

 冒険的世界観の組織へのシフトを阻む「認識の固定化」と「関係性の固定化」という問題。これらをどう脱却していけらばよいのか。詳しくは書籍『冒険する組織のつくり方』に書かれているが、その中でも重要なのがこれからの「組織モデル」だ。

 同書は全8章の構成となっていて、第1章から第3章までが理論編、第4章以降は実践編だ。

 「目標設定のやり方や、チームビルディングや会議のあり方のアップデートなど、マネージャーや人事、現場の方が実践できる具体的なノウハウを20個ほど散りばめました。みなさんも現場で使えるものがあるはずです」(安斎氏)

 安斎氏は「新時代の組織モデル」について、残りの時間で解説した。

 これからの冒険する組織がどうあるべきかを表したのが、次図の「Creative Cultivation Model」(以下、CCM)というモデルだ。

[画像クリックで拡大表示]

 このモデルは、従来の組織づくりのスタンダードであるナドラー&タッシュマンの「整合性モデル」をベースにしている。

 整合性モデルでは、組織を「業務」「組織構造」「人材」そして「非公式な関係性やカルチャー」の4つの要素で捉え、ズレている箇所があれば調整する。組織の構成要素のバランスを見直し調整することによって組織経営を効率化するのだ。

 たとえば「今の重要業務は新規開拓なのにルートセールスが得意な人材ばかり」といったズレを見つけたら、採用に注力してバランスを整合する。

 組織づくりの施策は「エンゲージメントスコアが下がっているから上げよう」といった、対症療法的取り組みになりがちだ。そのため安斎氏は「組織全体の整合性を意識することは重要」と強調した。

 しかし、この整合性モデルは現代の組織には合わなくなっている部分もある。従業員が内発的動機がないままに指示をされても、アイデアは浮かばず組織は停滞してしまう。

 「ズレに対して『人材を入れ替えよう』と、まるで組織を上から機械的に操作するようなやり方は、これからの組織づくりには適さない」と安斎氏。そこで冒険的世界観の組織づくりの新しいモデルとして、CCMを提案した。

[画像クリックで拡大表示]

 これは「会社全体で探究するミッション」と、そこにいる従業員1人ひとりが望む「キャリアの自己実現」の整合をとって共鳴させていく考え方だ。

 ただし「ここでやってはいけないのが、従業員に個人のパーパスを書かせて、会社のパーパスと結び付けること」と注意した安藤氏。無理に関連させようとすると言葉遊びになって、本質的なつながりにならないためである。

「事業における得意を磨いたり、組織らしさを追求したりする中で、間接的に結び付けるのがおすすめ」(安斎氏)

 また、これらは単に構造的につながればよいわけではない。会社のミッションと従業員のキャリアの探究が「精神的に」つながっていることも重要だ。そのために、つながりに意味を持たせるようなカルチャーづくりが必要になる。

[画像クリックで拡大表示]

 「流行っているから理念浸透やカルチャー改革をやろう」では、組織は変わらない。これからは、自分たちの組織のどこがズレているのかを見極め、従業員1人ひとりの内発的動機と組織のミッションを機能的・精神的に結び付ける組織づくりが求められる。

 安斎氏が企業の組織づくりを支援する中で、経営部門や人事部門、マネージャー層にこのモデルを使って「どこが一番ズレているか」と聞くと、驚くほど認識が異なるという。安斎氏はこのモデルを対話ツールとして活用し、社内の認識を合わせることを推奨した。

 そして、これからの人事の役割についても次のように提言した。

「組織で働いているのは内発的動機を持った人間であることを意識しましょう。人に焦点を当てて組織のズレを発見し、是正していくことが、これからの人事マネージャーの役割です」(安斎氏)

 書籍の内容がかいつまんで紹介された本セッション。安斎氏は次のように語り、セッションを締めくくった。

 「この本を読んでいただくと、いま組織のどこにズレが起きているのか。認識と関係性の固定化がどこで起きているのか。そういう発想で、軍事的世界観からシフトした新しい組織づくりを実践していただけるでしょう」

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この記事の著者

北浦 汐見(キタウラ シオミ)

都内のスタジオに勤務後独立。ポートレート、取材、料理撮影等、都内を中心に活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

岡田 果子(オカダ カコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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