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HRzine Day 2025 Summer セッションレポート | #9

生成AIで「就業規則の課題・矛盾」はかんたんに改善できる!プロンプトなどの具体例を社労士 岩﨑氏が紹介

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ツッコみどころの多い服務規程を見直そう

 次に岩﨑氏が取り上げたのは、服務規程である。「多くの企業の服務規程は、ツッコミどころが満載だ」と指摘する岩﨑氏。その理由は、“柱書き”と呼ばれる箇条書き以外の前置き部分が、「従業員は、次の各号の行為は行ってはならない」と否定形で書かれていることに起因するという。このように柱書きが否定形になっていると、それ以降の各条文が混乱を招きやすくなる。

 たとえば、「(1)職務の権限を越えて専断的なことを行うこと」となっていたら、どうだろうか。最初の柱書きで「行ってはならない」といっているのに、「行うこと」と命令形でいわれたら、結局やって良いのか悪いのか、分からない。あるいは、「(7)その他軽犯罪法第1条に抵触する行為をしないこと」はどうだろう。抵触する行為をしないことを行ってはならないだなんて、抵触する行為をしろといっているようにも取れる。

[画像クリックで拡大表示]

 このように、柱書きが否定形になっていたら要注意。禁止事項なのか遵守事項なのか瞬時に判断できなくなるほか、規定ミスをしている可能性もある。だからといって、柱書きを「しなければならない」という遵守規定に変えれば安心というわけでもない。

 たとえば、「従業員は、服務に精励し、会社秩序を守るため、次の各号を遵守しなければならない」とした後に、「(2)常に品位を保ち、会社の名誉を害し信用を傷つけるような行為をしないこと」「(3)会社内で酒気を帯びて勤務しないこと」と禁止事項が続いたら、結局、従業員として何をすべきなのかが分からないし、“会社内がダメでも会社外ならよいのか”といった抜け道を探す人が出てくる可能性もある。また、従業員が問題を起こすたびに「〜してはならない」と条文が付け足されていくので、条文全体に脈絡がなく読みづらくなってしまうのだ。

「死人テスト」で、分かりやすい規定をつくれる

 ではどうすれば分かりやすい条文になるのだろうか。そのヒントとして岩﨑氏が紹介したのが、1965年に行動分析学の研究者オージャン・リンズレーによって開発された「死人テスト」だ。

 死人テストとは、「死んだ人でもできる行動は目標行動として設定するべきではない」という原則に基づいており、この死人テストを通過すれば、生きている人間による能動的な行動であることが示される。

良くない例(死人テストを通過しない) 望ましい例(死人テストを通過する)
ドアをバタンバタンと閉めないこと
→そもそも死人はドアを閉められないので、死人でもこの約束を守れる
ドアを静かに閉めること
→生きている人間にしかできない
廊下を走らないこと
→そもそも死人は廊下を走れないので、死人でもこの約束は守れる
廊下を静かに歩くこと
→生きている人間にしかできない
友達と口論しないこと
→そもそも死人は友達と口論できないので、死人でもこの約束は守れる
友達と穏やかにコミュニケーションを取ること
→生きている人間にしかできない
宿題を忘れないこと
→そもそも死人は宿題をできないので、死人でもこの約束は守れる
毎日予定通りに宿題を完成させること
→生きている人間にしかできない
テレビを見過ぎないこと
→そもそも死人はテレビを見ないので、死人でもこの約束を守れる
一日に決まった時間だけテレビを見ること
→生きている人間にしかできない
食事中に飲み物をこぼさないこと
→そもそも死人は食事をしないので、死人でもこの約束は守れる
飲み物をゆっくりと静かに飲むこと
→生きている人間にしかできない

 つまり、死人テストを通過した行動だけで服務規程を書き直せば、望ましい行動が明示され、ルールの趣旨が伝わりやすくなる。

 岩﨑氏は生成AIにこの考え方を組み込むことで、古い服務規程を添削し、今の時代にあったものに置き換え、さらにその新しい含む規定に基づいたクレドの作成も可能だと、デモンストレーションを交えて解説した。

次のページ
人事制度設計にも生成AIの活用を

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

フリーライター。IT系企業のマーケティング担当を経て2010年8月からMarkeZine(翔泳社)にてライター業を開始。2011年1月からWriting&Marketing Company 518Lab(コトバラボ)として独立。共著に『ひとつ上のFacebookマネジメント術~情報収集・人脈づくり・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

北浦 汐見(キタウラ シオミ)

都内のスタジオに勤務後独立。ポートレート、取材、料理撮影等、都内を中心に活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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