ワークス・ジャパンと、産経新聞社は、27卒予定の大学生・大学院生を対象に3月1日〜11月30日を調査期間として就職希望先調査を実施し、中間結果を発表した。
就職人気企業ランキング結果:文系総合
文系総合ランキングでは、「伊藤忠商事」が1位、「三菱商事」が2位、「味の素」が3位という結果になった。
「伊藤忠商事」は、新規事業創出への積極的な姿勢は学生から高く評価され、「幅広い分野で活躍できる」「挑戦を後押しする社風がある」といった声が寄せられている。「三菱商事」のほか、同じく商社で5位の「三井物産」も同様に、事業領域の広さや、若手のうちから豊富な経験を積める点に心惹かれる学生が多いようである。
3位は「味の素」、4位は「サントリーホールディングス」と飲料・食品業界も人気がある。この2社は食品業界を代表する大手企業であり、学生から社会的貢献度の高い業務に携われる点が評価されている。
また、福利厚生や企業の安定性を重視する学生からの注目度の高さは、両社に加え、10位の「三菱UFJ銀行」にも共通している。不透明な時代背景の中で、堅固な経営基盤を持つ企業の人気は、依然として高いという。
職場環境の安定性という観点では、9位の「損害保険ジャパン」においても、「人柄の良さ」を魅力と感じる学生が目立った。
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就職人気企業ランキング結果:理系総合
理系総合は、昨年17位から躍進を見せた「NTTデータグループ・NTTデータ・NTTDATA Inc.」が1位となった。大手IT企業として、安定性や信頼性に魅力を感じる学生が多いという。加えて、インターンシップでは新規システムの提案やプレゼンを行うなど、業務のリアルに迫ることのできるプログラムが充実している。自身の専攻を活かせる実感を得やすい点も、支持につながっていると見られる。
同じくIT業界では、「富士通」が6位にランクインした。実際のプロジェクトに社員とともに参画する長期・有償型のインターンシップを提供している。その後のキャリアにも活きる、専門性や経験を高める機会になっている。
昨年、一昨年と1位だった「ソニーグループ」は2位となった。エレクトロニクス、ゲーム、エンターテインメントなど、多彩な事業領域に惹かれた学生が多いという。その分、インターンシップも形式は職場密着型から長期有給型、起業に前向きな学生向けと、多様なラインナップで展開している。
4位は「トヨタ自動車」で、世界の自動車産業をリードする高い技術力を背景に、同社でのキャリア形成に価値を見いだす学生が多かったという。車の製造には多岐にわたる専門分野が関わるため、インターンシップは技術部門だけでも製品開発からデータ活用、車両修理まで幅広く展開している。
また、「資生堂」も「トヨタ自動車」と同じく、業界のトップ企業であることが支持を集め、7位となった。このほか、文系と同じく「味の素」「伊藤忠商事」「サントリーホールディングス」がランクインした。
理系採用では、安定性や信頼性を備えた大手企業が引き続き高い人気を誇る一方、インターンシップを通じて実務に近い経験や専門性を磨ける機会を提供する企業が評価を伸ばしていることが明らかになった。
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なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査対象:2027年3月卒業見込みの全国大学3年生、大学院1年生 ※調査開始時点
- 調査期間:2025年3月1日~11月30日
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調査方法:
- 就活対策サイト「キャンパスキャリア」およびワークス・ジャパン主催の各種イベントでアンケート告知を行い、Web上のアンケートフォームで回収
- 就職を希望する企業ランキングは第1志望から第5志望までの選択方式で、第1志望には5ポイント、第2志望には4ポイント、第3志望には3ポイント、第4志望には2ポイント、第5志望には1ポイントを配分して集計
- 有効回答数:1612名 ※2025年7月31日 中間発表時点
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