コミューンは、シリーズCラウンドにおいて、40億円の第三者割当増資および15億円のベンチャーデットによる借り入れを実施し、総額55億円の資金調達を行った。
調達した資金は、顧客・従業員と信頼を育みその信頼を事業に活かす「信頼起点経営」を実現するソリューションの開発にあてるという。同社は、顧客・従業員と信頼を育むことが事業成長に直結する、つまり信頼に投資することが経済合理である社会を目指すと述べている。
具体的な注力領域は次の3点。
- 「信頼」への投資対効果を「定量化」するプロダクトの開発
- これまで「感覚値」や「定性的評価」にとどまっていた信頼の価値を定量的に測定し、ROIが試算可能になる技術開発を進める。顧客・従業員との信頼関係の構築に対する投資が、具体的にどの程度の事業成果(売り上げ向上、コスト削減、離職率改善など)に結びつくかを科学的に分析・予測できる計測手法およびソリューションを確立する。これにより、経営層が信頼への投資判断を定量的根拠をもって行えるようになり、信頼が真に「経済合理」であることを証明する。
- 「信頼」を構築し、「事業成果に転換」するプロダクトの開発
- 顧客・従業員との信頼を構築し、具体的な事業成果に転換する手法の開発・提供を強化する。具体的には、信頼関係の構築と事業成長への寄与を「可視化」「理解」「育成」「創造」という4つのプロセスに分解し、実行を担うソリューションの開発を行う。現在提供しているコミュニティサクセスプラットフォーム「Commune」は信頼関係の「育成」を担う中核プロダクトとして維持拡大し、「可視化」「理解」「創造」をより高度に実現できるソリューションは、新プロダクトとして開発を進めていく。
- 「信頼起点経営」を実現するフルファネルサービスの展開
- プロダクトがあるだけでは信頼構築はできない。現状分析、戦略の立案、インサイトの発掘、ブランド体験の設計、コンテンツの作成、イベントの実施、紹介キャンペーンの実施など、信頼構築から事業インパクト創出までの一連のアクションをプロダクトに限定せず体系化し、再現可能な手法として確立し提供する。すでに25%以上のブランドが、コミュニティ運営支援・VoC分析などのプロフェッショナルサービスをプロダクトとともに活用しており、導入件数は前年比で190%増加している。
また、同社はこれらの手法をグローバル市場でも展開するため、2022年より米国にも拠点を置き、2024年より本格的にグローバル展開を開始している。現在は米国市場の顧客を中心にプロダクト・サービスの導入が進み、MRRは前年比490%成長。今後は、日本企業の海外展開支援も含め、グローバルでの信頼起点経営の実現を支援していくという。
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