“顔が見えるコミュニケーション”は採用段階から始まっている
——それでは、入社前の採用段階で重視していることはありますか。
まず、今年から「求める人物像」を明文化しました。私たちが掲げているのは「Team Häagen-Dazs Our Spirits」という3つのバリューです。
- Challenge with fun: いかなる状況でも、諦めずに楽しみながら進み続けられる人
- Think outside the box:既存の枠に捉われない新しい視点で考えられる人、変わる未来にわくわくできる人
- Better Together:自分の信念を持ち、周りを巻き込みながら実現に向けて考動できる人
この3つの価値観は、もともと社内で大切にしてきた考え方と一致しています。今いる社員たちも自然に体現していて、「新しい言葉にしたけれど中身は変わらない」という感覚ですね。
——その価値観を採用プロセスの中で体感してもらうために、どのような工夫をされているのでしょうか。
会社説明会から最終面接まで、さまざまな年代の社員と会えるようにしています。たとえば、先輩社員の座談会やグループディスカッション、部長やマネージャーが参加する面接など、各段階で“ハーゲンダッツらしさ”を感じてもらえるよう工夫しています。
現場の社員にも積極的に協力してもらっていて、「採用に自分も関わっている」と感じてもらうことで、現場全体の一体感も生まれます。学生さんにとっても、実際に働く人の雰囲気を知る貴重な機会になります。
——オンライン面接が主流になってからも、対面を大切にされているとか。
そうですね。コロナ禍では一時的にすべてオンラインで実施してみたのですが、「やっぱり何か違う」と感じました。やはり対面のほうが、互いの空気感や価値観を感じ取りやすい。現在はすべての面接で来社いただく形式に戻しています。一方で、先輩座談会やグループディスカッションはオンラインで続けており、リアルとデジタルの良さを組み合わせるようにしています。
——採用フェーズから、すでに“顔が見える関係”を意識されているのですね。
まさにそうです。採用の時から1人ひとりにしっかり向き合い、“人を理解する”姿勢を大切にしています。その延長にあるのが、配属やフォローの仕組みです。
配属は期待といっしょに伝えることで、納得感を高める
——ここ数年は「配属ガチャ」という言葉も耳にします。配属や転勤の説明はどのようにされているのでしょうか。
当社では採用説明会や面接の段階から、「全国転勤があります」「ジョブローテーション制度があります」ということを明確に伝えています。入社後に想定外の異動があるとギャップを感じてしまうので、事前にしっかり理解してもらうことを重視しています。
[画像クリックで拡大表示]
さらに、初期配属が決まった段階で、1人ずつZoomでお話しする時間を設けています。配属先だけを伝えるのではなく、「なぜその部署なのか」「どんな期待をしているのか」をしっかり説明します。単なる“配属の通知”ではなく、“期待を共有する”場ですね。そのひと手間があることで、配属への納得感が全然違うと思います。
ここ数年は「配属ガチャ」という言葉も耳にしますが、私たちは「なぜそこに配属するのか」をていねいに言語化することで、少しでも不安を和らげたいと思っています。また、採用から入社まで同じ担当者が継続的にフォローしているため、学生さんにとっても安心感があるのではないでしょうか。

