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イベントレポート | ギブリー AgileHR day #Sprint01

以前は興味を持ってくれなかった人材も獲得できるようになったエンジニア採用施策とは――ソフトバンク 小山亮氏


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 プログラミングスキル診断サービスを展開するギブリーは5月29日、東京・渋谷のサポーターズ セミナールームにて、ITエンジニア採用に携わる人事関係者を対象とするイベント「AgileHR day」を開催した。その第1回(#Sprint01)として今回は「エンジニア採用の変革!ソフトバンクの選考手法の裏側」と題し、ソフトバンク株式会社 人事本部 採用・人材開発統括部 人材採用部 採用推進課 課長の小山亮氏をスピーカーとして招聘。会場に大勢の参加者が詰めかける中、株式会社ギブリー 執行役員 山根淳平氏を聞き手に、ソフトバンクにおけるITエンジニア採用の知見やノウハウが紹介された。本稿ではその模様をお伝えする。

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AgileHR day #Sprint01「エンジニア採用の変革!ソフトバンクの選考手法の裏側」の概要はこちらを参照のこと。

母集団からの採用とピンポイント採用を併用する採用方式に

小山氏によると、ソフトバンクの人事では普遍のミッションとして「人と事業をつなぐこと」を掲げている。これは同社の専務執行役員の青野史寛氏が提唱したもので、人事部門は企業の事業成長を妨げてはならず、むしろ企業の成長を加速させる取り組みを実践していかなければならない、という思いが込められているとのことだ。

このミッションを実現するためにソフトバンクは、大量に応募者を集める従来の採用形式だけではなく、企業の側から人材を採用しに動く1to1のピンポイント採用など新たな採用形式を次々と打ち出し、実施している。その具体的な取り組みの一つが、入社時30歳未満の人材を新卒と同条件のエントリークラスで通年採用するという「ユニバーサル採用」だ。またこのほかにも、今年度は参加者が400人を超えるという活発な採用直結型インターンや、事業ではなく会社そのものに興味を持ってもらうための地方創生インターンの実施、逆求人のイベントへの参加や研究室訪問など様々な取り組みを展開している。

小山 亮氏
小山 亮(こやま・りょう)氏
ソフトバンク株式会社 人事本部 採用・人材開発統括部 人材採用部 採用推進課 課長。
2012年ソフトバンクに入社後、中途採用担当として1000名を超える採用を経験。2014年より新卒採用にメインミッションを移し、ユニバーサル採用のもと、No.1採用、採用直結型インターン、地方創生型インターンなど、ソフトバンク独自の採用活動に取り組んでいる。

新たな採用方式を導入するにあたって小山氏は、従来の方式から段階的にシフトしていくのではなく、思い切って大手求人メディアへの求人掲載数をゼロにすることから取りかかった。当然、応募者のインバージョンが大きく変化するリスクもあり、小山氏も恐れはあったという。しかし蓋を開けてみると、総エントリー数は掲載数をゼロにする以前の約90%程度には保たれており、十分な応募者を確保することに成功したという。

こうした結果を受けて小山氏は「人材採用のトレンドがピンポイント採用のほうに変わりつつある」と、人材採用のトレンドに変化が生じていることを改めて指摘する。

「ピンポイント採用を始めたことで、母集団からの採用のみだった時代には興味を持ってもらえず他企業に行ってしまっていた人にも興味をもってもらえるようになり、本当に欲しい人材を採用できるようになりました」(小山氏)

一方で、ソフトバンクは母集団からの採用自体を取り止めたわけではない。大量採用は従来通り行いつつ、優秀な目ぼしい人材に関してはピンポイント採用でとりに行くというように施策を切り分け、それぞれの方式に応じた体制づくりを進めているのだ。ただし、大量採用については、従来よりも選考工数を削減するための工夫を取り入れているという。

データ分析などHRテックは積極的に活用し、採用プロセスの省力化を可能に

ソフトバンクは、採用における新たな取り組みとして、HRテクノロジーの積極的な導入も進めている。例えば、IBM Watsonによるエントリーシートの自動選考、学生からの問い合わせにLINEで自動で応答するシステムの導入などだ。これらのHRテクノロジーを活用することで、3万件の応募に対してかかる工数を省力化し、さらに入社後の適切な人員配置が可能となった。

HRテクノロジーの活用に関して小山氏は、特にデータ分析のプロセスを重視する。実際に応募者と対面する採用面接の場では、面接官は応募者をどうしても感覚的に評価しがちになる側面がある。このような採用面接には「属人性の高さが汎用性の低さにつながっている」(小山氏)というデメリットがある。データ分析を活用すれば、応募者のスキルを定量化、可視化し、感覚に頼らない選考を実現できる可能性がある。

もちろん、企業によって応募者に求めるものや置かれた状況は異なるため、どのようなスキル評価を行うことが正解かは一概に言えない。さらに、採用前のスキル評価から採用後のパフォーマンスを確実に予測できるわけではない、という課題もある。パフォーマンスの高低には組織自体が持つ構造的問題や、配属された部署や上司との相性、職種との適正など様々な要素が複雑に関係してくるからだ。ただ、小山氏はデータを蓄積していくこと、あるいはデータの切り方、捉え方を整理し変えていくこと自体には意味があると指摘した。

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この記事の著者

YOSCA(ヨスカ)

5000名を越えるフリーライターを抱えるライタープロダクション。ご依頼に沿った記事ライティングからインタビュー取材、企画や編集ふくめ総合的なライティングサービスを提供しています。 Webサイト:https://yosca.jp/

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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