職種問わず、ベーシックな部分からオンボーディングをサポート
――はじめに、Smart Boardingのサービスについて説明をお願いします。
Smart Boardingはオンボーディングのサポートサービスで、システムとしてはeラーニングとLMS(学習管理システム)のいいとこ取りをしたような仕様になっています。また、受け放題の定額制研修や社内での活用サポートも含め、社内の教育体系を全てサポートしています。2017年8月にリリース以降、約200社の企業様に有料導入をしていただきました。初期は弊社の既存のお客様に導入していただいたケースが多いのですが、約半数ほどが新規のお客様です。
弊社ではオンボーディングを、大きく分けて「職場適応する(その環境の背景や歴史を知る)」「知識スキルを学ぶ(その会社での仕事の仕方を知る)」「成果を出す」という3段階で考えています。「職場適応する」段階のコンテンツには、PCの設定とか社内のシステムとか、本当にベーシックなことも含まれます。また、背景や歴史を知るためのコンテンツや仕事の仕方を知るためのコンテンツは、ユーザー企業様に自社で撮影いただいた動画などをSmart Boardingにアップロードしていただくシステムになっています。併せて、理解度をチェックするためのテストもアップできます。
ユーザー企業様で困りがちなのは「知識スキルを学ぶ」段階です。その会社の商品知識や営業知識なども教えるのですが、意外にばらばらで教えにくいのがコミュニケーションの取り方やマナー、電話応対など。また、スケジュールやリーダーシップに対する考え方といったところも、人事では教えきれないといったケースが見受けられます。
Smart Boardingではそうした基本的な要素については、弊社が作成したコンテンツをご利用いただけます。もともと弊社では「仕事の仕方とマナー」「リーダーシップやマネジメントとは何か」といった内容の研修サービスを手がけておりまして、それらを動画化したコンテンツを保有しています。お客様に対して提供しているのはこれをリニューアルしたもので、現在は225個のコンテンツをご用意しています。
――コンテンツは職種別に用意しているのでしょうか。
現時点では職種問わずに使える共通のコンテンツを揃えています。言い換えると、職種問わず共通の悩みを抱えている会社が多いということでもあります。
例えば、「文章の書き方」のコンテンツ。Wordやメールの書き方は会社によって“普通”が異なりますが、そこを統一的にフォローしたいというお客様向けにご用意しています。また、一番利用されているコンテンツとして「報連相」など、コミュニケーションの基本があります。とりわけ、ほとんどのユーザーさんにご利用いただいているのが「指示受けと報告」というコンテンツです。指示の出し方ではなくて受け方というのがおもしろいのですが、私たちが「TEAR」と呼ぶ、「仕事ができる人の指示の受け方」をレクチャーします。Tは「Take memo」、Eが「Expect」、つまり期待水準を確認しようということで、Aが「Ask」、Rは「Repeat」、復唱です。
――報連相や指示の受け方なんて、中途採用者ではなくて新卒採用者向けの内容に思えます。
私たちも新人教育だけでいいと思っていました。しかし、私が弊社へ中途入社したとき、ものすごく注意を受けたんです。そして後日、私が中途入社してきた人を迎えたときには、その人に「ああ、できていないな」と感じました。例えば、PowerPointの資料をコピーするのでも、こちらが意図している仕上がりを確認しないで済ませてしまう。中途入社してきた人はできない自分を見せたくないので、基本的なことを質問したり確認したりするのに壁を作ってしまいがちです。この壁を取り払ってしまうために、指示の受け方の型を教えるようにしています。