現在、企業課題を解決し得る能力・実績(研究成果)を持つアカデミア在籍の博士取得予定者・ポストドクターの採用ニーズが高まっている一方で、そういった博士取得予定者・ポストドクターは研究者として忙しく、就職や転職活動を行う時間を割くことができず、民間企業の情報をほとんど得られない状況でキャリアを選択せざるを得ない、という実情があった。
また、何とかして時間を捻出して就職・転職活動を行ったとしても、「研究分野の情報は採用企業の機密性が高いことから、自分自身の研究を活かす場を探すことができない」「アカデミア以外のキャリア構築について検討する経験が少なく、そもそもどのような企業があるのかも知らない」「学士・修士が行っている一般的な就職活動や、民間企業で働いているエンジニア・研究者が行っている転職活動とは、活動時期や入社時期といったような時間軸が合わない」といった理由から、最終的には活動を断念してしまうケースも少なくないという。
ほかにも、研究者の就職には、教授推薦やリクルーターを通じて在籍している研究室と関係のある企業へ就職していくというイメージがあるが、事業の多様化、技術革新スピードの加速化、そしてそれに伴う社会変化が進む中で、同じ研究室から毎年採用する制度自体が時代に合わなくなってきており、より時代に合ったサービスの必要性が求められていた。