同調査は、従業員20名以上の日本企業を対象に、2018年4月~6月に実施されており、ユーザー企業715社のITリーダーより、有効回答を得ている。
企業におけるAD手法について、現在および今後の採用方針を尋ねたところ、ウォーターフォール(WF)型を「採用中」と回答した企業は43%(継続/拡大:28%、縮小:15%)と、もっとも多かった。以下、アジャイル型を「採用中」が17%(継続/拡大:15%、縮小:2%)。反復型が16%(継続/拡大:15%、縮小:1%)が続く。
「未採用:採用予定あり」は、アジャイル型で13%、反復型で9%となっており、今後は非WF型の両手法の採用が拡大すると予想される。
IT部門が関与しない、ビジネス部門主導の開発について尋ねた質問では、「採用中」が14%(継続/拡大:9%、縮小:5%)と低い一方で、「採用中:縮小」の5%に対して「採用中:継続/拡大」が9%、「未採用:採用予定あり」が6%存在することから、今後、ビジネス部門主体の開発の採用は増えていく傾向にあるといえる。
従業員数規模別にADの動向を見ると、従業員数2000名以上の大企業では、WF型を「採用中」と回答した割合は86%だが、うち「採用中:縮小」は35%で、徐々にWF型の採用を縮小していく意向が強いことがわかる。
アジャイル型については、「採用中」が継続/拡大と縮小を合わせて40%近くになるほか、「未採用:採用予定あり」も30%に達しており、約70%の大企業が採用中や採用予定の段階にある。この結果は、調査対象である企業全体の30%(「採用中:継続/拡大」15%、「採用中:縮小」2%、「未採用:採用予定あり」13%の合計)と比較して大きく、大企業におけるアジャイル型への関心が非常に高いことがうかがえる。
大企業では業務領域が広く、実施しているプロジェクト数も多いため、業務特性(アプリケーション特性)に応じて、一部の領域にアジャイル型を採用することも考えられるが、「未採用:採用予定あり」も多いことから、環境の変化が激しいデジタルビジネスの時代において、WF型のみでは対応が難しいと考えている大企業の危機意識が見てとれる。