業務の拡大に追いつくべくエンジニア人材を急ピッチで増員中
――DMPというと、今注目の技術であるにもかかわらず、従来のWebやソリューションのエンジニアに比べて、何をするのか分かりにくいところがあると感じます。
白浜隆男氏(以下、白浜):なかなか一般の方には馴染みのない分野ですが、簡単に言うと「ビッグデータを使ってビジネス上の課題解決をする」技術領域です。具体的には、インターネット上にあるさまざまなWebサイトのアクセスログなどから、ユーザーがアクセスしたサイトのキーワードなどを自然言語処理で抽出して分析することで、ユーザーの潜在的ニーズを発見していきます。この知見をもとに、たとえば広告配信の対象を効果的に絞り込むとか、販売戦略に必要なデータを探している企業に情報を提供するといった、一連のマーケティング活動支援が、現在の当社の主な業務です。
――求められるエンジニア人材も、当然データに強い技術者ということになりますね。
白浜:現在はデータサイエンティストが3名、エンジニアが7名の計10名が在籍して、2000社を超えるクライアントから集まってきたデータ分析などを行っています。大量のデータを効率的に扱う環境をエンジニアが構築し、データサイエンティストが分析を行いクライアントの課題解決へとつなげるという形です。ただ、さすがにこれだけクライアントが増えると、業務規模に比べてまだまだ人数が足りないので、この後も積極的に採用していきたいと考えています。
そうした技術部門の強化に向けて、私がCTOとして入社した2018年の8月以降、情報システム部門の増員も急ピッチで進めているところです。それまでは私と玉井の2人だけだったのを、ビジネスや顧客の伸びに合わせて必要十分な体制を整えようと決め、採用に積極的に取り組んできました。
「DMPの会社とは?」から始めて幅広い情報発信でアピール
――BtoBの中でもDMP専業というデータに特化した分野なので、エンジニアにどんな会社か知ってもらうだけでも大変だと伺いました。具体的に、どういった工夫をなさっていますか。
白浜:当社の場合、これまでは公開情報が非常に少なかったので、まずはできるだけ外部に情報を発信する。今回のようなメディアの取材対応もそうですが、積極的に外部のカンファレンスや勉強会に出たりして、できるだけ露出の機会を増やすように心がけています。
とはいえ、DMPそのものを知らない人がほとんどなので、まず「社名を知ってもらい」、その次に「DMPとは何か?」を説明し、「どういう技術を使って何をしているのか?」を紹介するという3段階でアピールしていきました。
あとはとにかく、いろいろな方に会いにこちらから足を運びました。情報交換という名目で訪問して先方のCTOとお話をするとか、技術部門のコアメンバーを誘って食事に行くとか。そのための予算を、採用補助費として会社でちゃんと確保してあるんですよ(笑)。
――外部への発信は、具体的にどのように行っていますか。使っている媒体などは?
白浜:PR Tableをはじめ、いろいろな媒体を活用しています。最近ではWantedlyも使い始めました。コンサルタントにも入ってもらって、発信内容をより効果的にする取り組みも行っています。
カンファレンスにも、積極的に参加しています。特に当社はPythonを使っていることもあって、「PyCon JP[1]」では今年もスポンサーになっています。あとはエンジニア向けのイベントに出て話したり、勉強会もPython系を中心に参加したりしています。といっても、あえてPythonに限定しているわけではありません。むしろ他の言語やツールを使っている人にもつながりを作っていきたいので、できるだけ広い技術範囲にアピールできるように心がけています。
注
[1]: Pythonエンジニアが一堂に会する年次イベント。2019年は9月に開催された。