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HRzine Day(エイチアールジン・デイ)は、人が活き会社が成長する人事のWebマガジン「HRzine」が主催するイベントです。毎回、人事の重要課題を1つテーマに設定し、識者やエキスパードが持つ知見・経験を、参加者のみなさんと共有しています。

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HRzine Day 2024 Winter

2024年2月1日(木)12:00~17:40

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人事業務の効率・確度・精度を高めるために欠かせないHRテクノロジー。その主な製品の機能を分野ごとに比較できる資料群です。製品検討の参考資料としてご活用ください。

人事労務管理システム<br>主要製品スペック一覧 2023

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イベントレポート | 最幸のチームをつくる ~100万人のエンジニアのために~《後編》

エンジニアが幸せに働ける組織体制、壁を壊すための方法論とリーダーシップとは


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 サイボウズ青野慶久氏、さくらインターネット田中邦裕氏、コードタクト後藤正樹氏というエンジニア出身IT企業の社長3人が集まり、2019年12月2日に行われたパネルディスカッション「最幸のチームをつくる ~100万人のエンジニアのために~『その方法と成功の秘密』」。後半は、ビジネス成長で規模が大きくなった組織につきもののサイロ化の問題の解決方法に話題が移る。本稿では前編に続き、後編でのディスカッションの内容を紹介する。

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スピーカー

サイボウズ株式会社 代表取締役社長 青野慶久氏
さくらインターネット株式会社 代表取締役社長 田中邦裕氏
株式会社コードタクト 代表取締役社長 後藤正樹氏

モデレーター

株式会社KDDIウェブコミュニケーションズ 代表取締役社長 山崎雅人氏

本記事の前編はこちらから。

組織内にできる壁を壊すための取り組み

山崎雅人氏(以下、山崎):部署が違うと話題が合わないことはありませんか。大企業では特に難しいと思います。どんな工夫をすれば、普段は関連の薄い部署間での話題の共有や組織の壁を越えることができるのでしょうか。

青野慶久氏(以下、青野):横のコミュニケーションの実践は、理屈ではそうするべきだとしても、円滑に進むかどうかはわかりません。人間、気が合う人もいれば合わない人もいるでしょう。少なくとも目指しているところが同じどうかかを確認することが必要です。でなければ、開発が営業と会話をしても、壁が厚くなるだけだと思います。

青野 慶久氏
青野 慶久(あおの よしひさ)氏
サイボウズ株式会社 代表取締役社長。
1971年生まれ。愛媛県今治市出身。大阪大学工学部情報システム工学科卒業後、松下電工(現 パナソニック)を経て、1997年8月愛媛県松山市でサイボウズを設立。2005年4月代表取締役社長に就任。2018年1月代表取締役社長 兼 チームワーク総研所長(現任)。社内のワークスタイル変革を推進し離職率を7分の1に低減するとともに、3児の父として3度の育児休暇を取得。また2011年から事業のクラウド化を進め、売り上げの半分を超えるまでに成長。総務省、厚労省、経産省、内閣府、内閣官房の働き方変革プロジェクトの外部アドバイザーやCSAJ(一般社団法人コンピュータソフトウェア協会)の副会長を務める。

田中邦裕氏(以下、田中):サイボウズの企業理念「チームワークあふれる社会を創る」は目指すところとしては大きいと思いますが、これを細かく分解するのですか。

青野:いいえ。大きいものは大きいままで「味わう」のです。

後藤正樹氏(以下、後藤):コードタクトのミッションは青野さん公認で「チームワークあふれる『学びの場』を創る」としています。このミッションを社内に浸透させるために取り組んでいることが、各部署のキャッチフレーズを考えることです。例えば、カスタマーサポートの場合、「カスタマーサポートの本質は何か」を全員で考えて、カスタマーサポートのキャッチフレーズを作ります。これを月に1度、違う部署で繰り返すことで、ミッションを理解してもらうつもりです。

田中:その意味では分かち合わないといけないのか。「『やりたいこと』を『できる』に変える」を大切にしていますが、さくらのビジネスは24時間365日という性質のものなので、年末年始でも誰かが待機していないといけません。去年はお金で解決しましたが、犠牲に基づくマネジメントは良くないですね。全社で話し合い、分かち合うことが重要だと思いました。

山崎:組織の壁もさることながら、年齢、性別、役職の壁をなくすためにどんな工夫をしていますか。

田中:青野さんの話に「部長がいなくなった」という話がありましたが、さくらも3年前に、技術本部では部門長を除く役職を撤廃しました。技術本部の人員は全部で300人ぐらいなのですが、フラットになった分、年齢に基づく上下関係が良い意味で希薄になりました。一方で、逆にマネジメントが難しくなった側面もあり、今度は6人の部長を置き、どんなマネジメントが良いかを模索している最中です。

田中 邦裕氏
田中 邦裕(たなか くにひろ)氏
さくらインターネット株式会社 代表取締役社長。
1978年、大阪府生まれ。学生時代に高専でNHKロボコンに明け暮れるかたわら、1996年に18歳でさくらインターネットを学生起業。当時は珍しかった、インターネットサーバーの事業を開始する。2005年に27歳で東証マザーズ上場し、2015年には東証1部上場。元々のバックグラウンドはエンジニアでありながらも、自らの起業経験などを生かし、スタートアップ企業のメンターや、学生エンジニアの指導等にあたる。自らも一ヶ月の休暇を取り、パラレルキャリアを実践し、新しい働き方を模索中。

山崎:青野さんのところはいかがですか。

青野:基本的には「アメとムチ」の使い分けでしょうか。ムチのほうは「そこに壁があるならお前が壊せ」で、問題を感じるなら自律的に取り組んでもらい、やった人を褒める。究極的にはこれだけでいいと思っています。とはいえ、そう簡単にことが運ぶわけではないので、前の話に出てきた部活動制度、勉強会、各種表彰制度も活用します。アメはちょっと言い過ぎかもしれません。

 それからオフィスのレイアウトは、中央に自動販売機とゴミ箱を設置しているので、開発と営業が会話をする場にはなっていると思います。

山崎:年齢の差による壁を感じることはありませんか。

田中:さくらは年齢的なダイバーシティはあるほうだと思います。役員は20代〜50代まで、監査役に至っては80代です。サイボウズとの違いを感じるのは女性のエンジニアが少ないことです。管理部門には女性社員がいますが、エンジニアが6割の会社ですから、全社的に見ると性別のダイバーシティがあるとは言えません。

山崎:後藤さんのところはどうですか。

後藤:うちは「高齢ベンチャー」と言いますか。社員の平均年齢が40歳ぐらいで、20代は2人ぐらいしかいません。ただし、教育の会社ということもあり、7割の社員に1歳から5歳までの子供がいるので、「子育て」という共通の話題での交流はあります。組織体制ではまだ20人ぐらいなので、僕ともう1人以外は基本的にフラットです。

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この記事の著者

冨永 裕子(トミナガ ユウコ)

IT調査会社(ITR、IDC Japan)で、エンタープライズIT分野におけるソフトウエアの調査プロジェクトを担当する。その傍らITコンサルタントとして、ユーザー企業を対象としたITマネジメント領域を中心としたコンサルティングプロジェクトを経験。現在はフリーランスのITアナリスト兼ITコンサルタント...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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