Web面接に違和感なく、むしろ今後も望む方向に
――インタビューメーカーへの問い合わせが、いま急増していると聞きました。
問い合わせは数百件以上いただいており、1月に比べて22倍に伸びました(取材は3月13日)。引き合いの内容もかなり変わっています。これまでインタビューメーカーは、遠方にいるなどの理由で直接会えない人との面接に使用されてきました。しかし、今回の新型コロナウィルス感染拡大で、候補者の方が近くに住んでいる企業様もWeb面接をしなければならなくなりました。また、ユーザーは主に大企業だったのですが、中小企業にも一気に広がりました。
また、3月はちょうど合同説明会を開いて新卒採用の母集団を増やす時期に当たります。しかし、コロナウィルスで会場に人を呼ぶ例年の説明会は開催できない。そこで、オンライン説明会をインタビューメーカーで開けないかという問い合わせもいただくようになりました。
――今は急場をしのぐという面が強いと思いますが、今後はどうなるでしょう。
Web面接を経験した企業様からは「これでよいのではないか」と言っていただいており、来年も1次面接はWebでいいというケースが相当出てくると思います。また、候補者の方も面接はオンラインでできることを知ってしまうと、「なぜ15分程度の時間しかもらえない1次面接に、わざわざ足を運ばなければいけないんだろう」という、以前から思っていた不満が表面化してくることが考えられます。そうしたことから、来年以降もインタビューメーカーをオンライン説明会やWeb面接で利用していただけそうな手応えは感じています。
――企業・候補者双方にWeb面接を望む状況があるわけですね。
意外なのですが、候補者の方はWeb面接のほうがかなりリラックスできるようです。自宅など慣れている場所で受けていることがプラスに働くのでしょう。ユーザー企業の方からよく聞く話として、最終面接でいざ対面で会ってみたら、思っていたよりも落ち着いた方だったと思われることも多いようです。
また、Web面接を受けたことのある方にアンケートを取ると、対面でもWebでもどちらでも良い人が40%、Webがいいという人が40%という結果になりました。つまり、80%の人はWebで構わないということになります。そして今、Web面接を経験する人が急増しています。今後、Web面接にしてほしいという声が大きくなっていくのではないでしょうか。
――面接官はWeb面接についてどう感じているのでしょうか。
「やってみたら、対面面接と変わらなかった」とおっしゃる方が多いです。以前は対面が基本で、希望者がいればWebで面接を行っていたというあるIT企業様では、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、今年から全面的にWeb面接へ切り替えています。それで、今までどおりの面接ができているとのことでした。
回線速度やWebRTC技術が進化したことにより、Web面接システムの画像や音声の品質は十分確保されています。対面面接でもWeb面接でもどちらでも変わらない状態にまで来ている以上は、「面接の方法は、候補者が希望する方法に合わせて提示すればいいのでは」と言えるところまで来たという感じです。