同レポートでは、各国の統計データ[1]などをベースとした独自分析により、世界92カ国のIT技術者数[2]は2136万5000人、IT技術者数の増加率は年間約3.35%と推計。IT技術者数では、米国、中国、インドといったIT大国に加え、北ヨーロッパ諸国をはじめとしたヨーロッパ地域の存在感が際立つ結果となった。
注
[1]: 同レポートでは、データを収集できた世界92の国・地域を対象に、国際労働機関(ILO)、経済協力開発機構(OECD)、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の公表データや、各国の統計データを用いている。
[2]: 情報通信業就業者の中で、国際標準職業分類 の「専門職」、「技師、准専門職」に分類された人をIT技術者として算出している。
地域別にみると、最もIT技術者が多いのは中国、インドといったIT大国を擁するアジア・オセアニア地域で、811.6万人。次いで、477.6万人の北米(米国)、295.9万人の西ヨーロッパが続く(図表①)。世界のIT技術者の約4割がアジア・オセアニア地域、、2割強が北米(米国)、約3割がヨーロッパで就業している(図表②)。
各国のIT技術者数を国・地域別で見ると、米国がトップの477.6万人、ついで中国の227.2万人、インドの212万人と続く。この3か国で世界のIT技術者の約43%を占めており、IT大国として大きな存在であることが分かる(図表③)。
なお、日本は109万人で世界第4位。しかし、トップの米国の2割強、3位のインドと比較しても約半数に留まった。
全人口に占めるIT技術者の割合を地域別に見ると、最も割合が高いのは北ヨーロッパの1.59%、次いで米国の1.47%、西ヨーロッパが1.12%と続く(図表④)。一方、地域別で最もIT技術者数が多いアジア・オセアニアは0.20%と、人口に占めるIT技術者の割合は低かった。
また、IT技術者の割合を国・地域別に見てみると、トップがアイスランドの2%、第2位以下はスウェーデン、エストニア、アイルランド、フィンランドと、ヨーロッパの国が続く。注目すべきは北ヨーロッパ諸国で、トップ10に6カ国がランクインした(図表⑤)。
なお、IT技術者数において世界第2位、第3位の中国とインドはそれぞれ67位、70位と、人口の多さが影響してか、IT技術者の割合は低い結果に。また、日本は0.86%の32位で、アジア圏では、韓国(12位)、シンガポール(22位)、香港(24位)に続く4位となった。
IT技術者数をデータが収集できる前年と比較し、人数ベースでの伸び率を算出したところ、世界のIT技術者数は年間3.35%増加していることが判明。これを地域別にみてみると、最もIT技術者数が伸びているのは北ヨーロッパの5.63%、そして中央・西アジア、東ヨーロッパと続いた(図表⑥)。北ヨーロッパは、IT技術者の割合が高い上に、技術者の人数も大きく増えている。
一方、IT技術者数トップ3においては、中国が8.59%の16位、インドが5.71%の22位、米国が3.22%の35位となった。伸び率では上位ではないが、母数の規模からして、相当の拡大傾向であるといえる。なお、日本は4.81%で、世界平均である3.35%を上回っているものの、順位としては27位となった。
同レポートの詳細は、ヒューマンリソシアのWebサイトで連載として掲載されている。