なぜフリスピを始めたのか
――まずはフリスピの背景について、詳しく教えていただきたいのですが、そもそもフリスピを始めたのは、いつからですか?
私がfreeeに入社したのが2014年で、その翌年の7月に熱海で3周年の全社合宿を行ったのが始まりです。当時の社員数は、まだ50名くらい。名前もフリスピではなく、オフサイトと呼んでいました。当初は社員旅行に近い形でしたが、ただの慰安旅行ではなく、おいしいごはんを食べつつも、みんなで議論することを大切にしていました。
――7月はfreeeさんの期首ということで、キックオフの意味合いが強いのでしょうか。
そうですね。弊社は創業後の早い段階から、組織の文化や企業風土といったカルチャー面に対して、多くの投資を行ってきました。代表の佐々木(大輔氏)が前職のグーグル時代に、「あぁいう会社を日本で作るには、どうすればいいか」と考え抜いていることもあって。オープン&フラットな組織を目指しているので、“全員参加で議論をする場”は絶対に必要だということで、オフサイトを始めました。
――ちょうど最初のオフサイトは50名くらいのときだったということで、ベンチャー組織がぶつかるという「50人の壁」も意識されていたのですか。
はい。50人の壁、100人の壁といったものは、早めに先回りして手を打っていたので、オフサイトもそのうちの1つの施策です。
――最初のオフサイトでは、何を議論されましたか。
やはりカルチャー面ですね。弊社には創業時からメンバー間で共有されてきた「マジ価値(本質的(マジ)で価値ある:ユーザーにとって本質的な価値があると自信を持って言えることをする)」を軸とした、5つの行動指針があるのですが、最初のオフサイトでは「我々の価値基準はこれでいいんだっけ?」「いいなら、どういうところを深めていこうか」といった話を、丸一日かけて議論しました。
――佐々木さんが大切にしてきたことを、言語化して共有したタイミングだったんですね。
まさにそのとおりです。
――オフサイトからフリスピに名称が変わったのはいつですか?
2018年ですね。今年で3年目になります。当時新卒1年目だった社員が「オフサイトはfreeeの精神が体現されているような場でありたい」という思いから、“強い意志を持って自由に切り開いていく”イメージで「freee spirit」と名付けたそうです。