DevNetはこれからの“両刀使いのエンジニア”を育てる
――まずはDevNetとはどのようなものか、教えていただけますか。
シスコ 土屋征太郎氏(以下、土屋):DevNetは、アプリケーションプログラミングインターフェイス(API)やプログラミングに関する一般的な情報を中心とした、テクノロジーを学習するためのコンテンツを発信する「Webサイト」の機能と、エンジニア間でサポートし合う「コミュニティ」の機能を持ち合わせたプラットフォームです。DevNetは2014年にスタートしていて、現在では全世界で50万人以上が参加するコミュニティに成長しています。
DevNetはもともとアプリケーション開発者向けに、シスコ製ネットワーク機器と他社製品の接続をサポートすることからスタートしたプログラムです。そのため、アプリケーション開発者が主な参加者だったのですが、近年ではシスコのコアユーザーであるネットワークエンジニアも増えてきました。また、今はネットワークもソフトウェアシステムとしての側面を強めており、我々もプログラミングができるエンジニアを、シスコ製ネットワーク機器を使いこなせるパワーユーザーとして重要視しています。DevNetを通じて、ネットワークエンジニアとアプリケーションエンジニアの境界線をなくし、新しいITエンジニアのロールを創出したいと考えています。
――新たにDevNet認定を2月から始められたということですが、シスコがDevNetに注力されている背景を教えてください。
土屋:デジタルトランスフォーメーションに対する意識が高まっているなかで、ITの見直しを図る企業が増えている現状があります。これに伴ってネットワークとアプリケーションの連携が、ますます重要になってきています。加えて、昨今のコロナ禍によって、クラウドの台頭が著しく、次世代のインテグレーションが求められています。シスコが改めてDevNetにフォーカスする背景には、こうしたトレンドについていけるエンジニアを増やしたいという思いが込められています。
――これまでのエンジニアは「アプリケーションだけ」とか「ネットワークだけ」といった分業制が主流でしたが、これからはどちらもできる“両刀使いのエンジニア”が求められてくるのですね。
土屋:そうですね。どちらも分かっていたほうが、エンジニアとしての価値が上がりますし、ビジネスにとっても大きなメリットになると考えています。