日立ソリューションズは、日本産業ストレス学会 常任理事や日本行動医学会 顧問を務める慶應義塾大学 総合政策学部 島津明人教授とともに、従業員エンゲージメント向上の効果検証を目的とした実証実験を2021年1月18日から3か月間、実施する。
この実証実験は、Webアプリケーションとして開発されたワークエンゲージメント[1]向上のための自己学習型・改善プログラムの効果を明らかにすることが目的。実証実験参加者が自己学習型・改善プログラムで学んだことを日々の仕事の中で実践する中で、彼らのジョブクラフティング[2]、対人的援助、ワークエンゲージメントがどう変化するかを検証する。具体的には2つの学習プログラム「ジョブクラフティング」および「支え合う職場づくり[3]」を用意し、それぞれのプログラムの学習効果を無作為化比較試験により明らかにする。
実証実験では、日々の仕事の中で、時間的な自由度の高い自己学習型・改善プログラムで継続的に学び続けることで、ワークエンゲージメントが向上することが期待される。日立ソリューションズは、同実証実験による結果を基に、人事総合ソリューション「リシテア」の新サービスを2021年春以降に提供するとしている。
また、島津教授はこの実証実験について、次のようにコメントを寄せている。
「ワークエンゲージメントを高めるための支援プログラムは、これまでに各国で開発されてきましたが、効果が科学的に十分に認められたプログラムは少なく、研究の発展が期待されていました。このたび、日立ソリューションズ社とともに、新しく2つのプログラムを開発し、その効果を無作為化比較試験という科学的に厳密な方法で検証することになりました。科学的根拠に基づく従業員活性化、組織開発のツールとして多くの企業の発展に貢献できることを願っております」(島津教授)
注
[1]: 従業員自身の仕事に関連するポジティブで充実した心理状態のこと。
[2]: 働いている人がやりがいを持って働けるよう、働き方を工夫する方法。
[3]: 職場内で誰かが困っているときや忙しそうにしているとき、自発的に助け合えるようにする方法。