学情は、2022年3月卒業(修了)予定の大学生・大学院生を対象に、就職活動における「転勤」に関するインターネットアンケートを実施した。調査期間は、2020年11月16日~11月29日で、有効回答数は303名。
「転勤のある企業と、転勤のない企業のどちらを希望するか」について、「転勤のない企業」31.7%、「どちらかと言えば転勤のない企業」38.3%となっており、70.0%は「転勤のない企業」への就職を希望している。その一方で、「転勤の有無は企業選びの基準にはならない」の回答は18.8%で、約2割に迫った。「転勤のない企業」を希望する学生が多いものの、「転勤の有無を気にしない」学生も一定数いることが分かる。
「コロナ禍で転勤に関して、考えに変化があったか」については、「より転勤のない企業を希望」35.6%、「どちらかと言えば転勤のない企業を希望」28.1%となっており、63.7%の学生は「コロナ禍で、転勤のない企業を希望するようになった」と回答している。「転勤のない企業を希望する」と回答した学生からは、「コロナ禍では、首都圏から地方に帰省するのが難しい。首都圏に配属されたら、なかなか地元に帰れないと思うと不安」「新型コロナウイルスの感染拡大など、社会が混乱する出来事が起こっているタイミングで、住む環境を変えたくない」「コロナ禍で、家族を大切にしたいと思う気持ちが強くなった」などの声が挙がった。「ステイホーム」「帰省自粛」などで、家族との関わり方が見直されたことで、学生の就職意識にも変化が生じていることが分かる。
一方、「転勤があっても許容するようになった」12.5%、「どちらかというと転勤があっても許容するようになった」10.9%となっており、23.4%の学生は「コロナ禍で、転勤を許容するようになった」と回答。転勤があっても許容するようになった理由は、「オンラインでできることが増え、住む場所にこだわらなくなったから」が最多で52.1%。次いで「複数拠点があるほうが、選択肢が増え希望にあった働き方ができそう」「テレワークのなどで場所を選ばずに仕事をできるようになったから」が、ともに36.6%。働く場所や住む場所の選択に柔軟になっている、学生の意識の変化が伺える結果となった。
「転勤を許容するようになった」と回答した学生からはその他に「場所を選ばずに活躍できる気概や柔軟性が、コロナ禍では求められると思う」「売り手市場ではなくなっているので、転勤の有無にこだわらないほうが良いと思う」などの声が寄せられたという。