ジェイックは、10都府県で緊急事態宣言が3月7日まで延長されたことを受け、人事担当者・経営層を対象にした「2021年4月入社の新入社員の外部派遣研修に関するアンケート」を実施し、結果を発表した。調査期間は2月2日~5日で、153名から回答を得た。
昨年末時点で予定していた2021年入社の新入社員研修の実施形式は、「リアル(対面型)実施」53.6%、「リアルとオンラインを併用」33.3%、「オンライン実施」6.5%、「未決定」5.9%、「実施予定なし」0.7%という結果だった。昨年末時点では、リアル(対面型)での実施意向が過半数であった一方で、リアルとオンラインを併用する企業も3社に1社となっており、ニューノーマルでの研修形式が少しずつ根付いてきたことが分かる。
また、採用(入社予定)人数別での実施形式を見ると、採用人数が50名以下の場合は、リアルもしくは併用実施が約9割を占め、51名以上だとリアル実施と答えた企業数は0となっており、採用(入社予定)人数が増えるほど、リアルでの密を避ける実施形式を検討している傾向があることが分かった。
今回の緊急事態宣言の延長を受けて、「新入社員研修の実施形式を変更する可能性があるか」を聞いたところ、37.8%の企業が実施形式を変更する可能性があると回答した。
オンラインでの実施、またはリアルからオンラインへの変更の可能性があると答えた企業からは「より感染対策に適した新入社員研修を模索している」「新入社員及び送り出したご家族の安全欲求を懸念して」「緊急事態宣言が出る前からオンライン主体にしている」といった声が聞かれた。
一方で、リアルでの実施を予定している企業からは「リアル(対面型)が非常に有効・有益であると思われる」「オンライン教育の設備が不十分である。新人のオンラインの受け入れ設備が不十分である」「現従業員全員通常出社のため」「現場関連での就業形態なので、リアル研修が最適」など、受け入れ環境や勤務状況を踏まえて、対面実施が好ましい、もしくは対面実施せざるを得ないと考えていることが分かった。
また、調査内で「長引くコロナ禍に関連して、組織開発・社員教育・採用等に関して悩んでいること(自由記述)」を聞いたところ、下記のような回答があった。
- 全国に散らばる支店間同士、事業部同士のコミュニケーション機会喪失による影響
- オンライン・Web動画では温度感が伝わりにくい点
- 対面でのコミュニケーションができなくなり、Webでは相談しやすい、話しやすい雰囲気が作りづらくなった
- 会社説明会や選考会における他府県からの移動
- 新入社員が入社までリアルな対面が一度もない中、入社してから会社になじめるのか疑問
- ワイガヤ(雑談)を上手く取り入れたオンライン会議の方法
- 業績が悪化し新規採用ができるかどうか不安
- 通信環境や機器の整備
- オンラインでも研修効果を落とさない研修運営方法
- 万が一クラスターとなった場合の責任
- 社員の士気の低下
- インターンシップ、研修のオンライン化に向け、必要な知識や準備
- 新入社員同期のつながり、先輩社員との交流ができないこと、配属後の新人のモチベーション等
- リモートでの取り組みで一体感が醸成できる方法