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「ジョブ型」に関する大手119法人調査、76.5%が職務や役割の定義を実施・検討―ワークスHI調べ

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 Works Human Intelligence(ワークスHI)は、同社の統合人事システム「COMPANY」のユーザー119法人を対象に、ジョブ型雇用に関するアンケート調査を実施し、結果を発表した。調査期間は2021年1月27日~2月19日。

 同調査では、従来日本で採用されてきた人事制度である「職能資格制度」に代わり、職務や職責を定義して基準を設ける制度を「ジョブ型」と仮定。詳細に職務内容や要件を定義する「ジョブディスクリプション(職務記述書)」や、ジョブディスクリプションほど厳密な定義は行わず、役割を言語化して定義する「役割等級制度」の導入状況を聞くことで、大手法人においてどの程度、「職務や職責を言語化・明確化する」という考え方が浸透しているかを含め、調査を行ったという。

 ジョブディスクリプションをすでに導入している法人は12.6%、導入・検討予定は45.4%という結果となった。導入理由には、「同一労働・同一賃金の実現のため有期雇用社員に対して導入した」という回答や、「中途採用に関して、特定の業務の補充のため導入した」という回答があった。

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 役割等級制度をすでに導入している法人は44.5%で、導入・検討予定を含めると68.8%という結果となった。導入済みの法人において、役割等級制度の適用範囲は「全社員」という回答が約半数で、次に「一定の役職」「特定の職種」という回答が続いた。導入理由には、評価に関するもの(専門性の高い能力発揮を評価するため、評価の納得性向上、役割・職務と処遇の一致)や「脱年功序列のために、職能資格制度から変更した」という回答も見られた。

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 上記の結果より、ジョブディスクリプションまたは役割等級制度をすでに導入している法人は47.9%となった。いずれかを導入・検討予定の法人(28.6%)と合わせると、全体の76.5%が、職務や役割を定義する人事制度を導入済みまたは導入・検討予定であることが分かった。このことから、日本で多く採用されている職能資格制度に代わって、職務や役割に基づく制度への注目が高まっている実態が浮き彫りになった。

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 また、コロナ禍をきっかけに、以前と比べてジョブ型雇用導入に対し「積極的になった・やや積極的になった」と回答した法人は15.1%だった。意識に変化があった法人も見られたが、大手法人においては新型コロナウイルスの感染拡大前から人事制度変更が検討されており、ジョブ型もその延長線上で実施・検討されていることが明らかになった。

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 さらに、ジョブ型雇用に関する意見や疑問を聞いたところ、メリットやデメリットのほか、日本の人事制度との融合に関する回答が見られた。

 ジョブ型雇用導入に前向きな意見としては、「求人者の特筆したスキルが目立つため、企業からすると即戦力で期待できる人材を採用でき、採用者も職務のミスマッチで退職しにくくなるというメリットがあると思う」「まずはメンバーシップ型とのハイブリッド型の制度に移行していきたい」「欧米型のジョブ型雇用はマッチしない部分もあると思うので、日本企業に適したジョブ型雇用の形について是非考えていきたい」といった意見が挙がった。

 一方、ジョブ型雇用導入に慎重な意見・懸念点としては、「会社として、業務をジョブ型として捉えておらず、付随する対応についても検討予定はない」「専門職として一定のジョブ型雇用を拡大する可能性はあるが、一方で当該業務のマンネリ化や業務内容がブラックボックス化しやすい傾向がある」「新卒一括採用の状況では、マッチしないように思える」「ジョブ型雇用は専門職のイメージが強く、部署異動や管理職昇格の判断に制限をかけてしまう可能性があることを懸念している」といった声が聞かれた。

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HRzine編集部(エイチアールジンヘンシュウブ)

労務管理から戦略人事、日常業務からキャリアパス、HRテクノロジーまで、人事部や人事に関わる皆様に役立つ記事(ノウハウ、事例など)やニュースを提供しています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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