一般財団法人日本規格協会と一般財団法人日本科学技術連盟が実施し、一般社団法人日本品質管理学会が認定する品質管理検定(以下、QC検定)は、品質管理に関する知識をどの程度持っているかを客観的に評価する検定試験。2005年から試験がスタートし、現在は年2回(9月と3月)の試験が実施され、合格者は2013年時点で累計27万8000名を超えている。
品質管理とは、企業をはじめとするさまざまな組織が、ユーザーやカスタマーといった対象の要求に合った品質の製品やサービスを管理し、提供すること。QC検定では、企業においてどのような仕事をしているか(また、これからするか)、その仕事において品質管理や改善を実施するレベルはどれくらいか、そしてその管理と改善をするためにどれくらいの知識が必要であるかにより4つの級が設定されている。各級の対象像は次のとおりだ。
級 | 対象像 |
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1級/準1級 |
品質管理部門のスタッフ、技術系部門のスタッフなど 企業内において品質管理全般についての知識が要求される業務にたずさわる人 |
2級 |
QC七つ道具などを使い、品質に関わる問題の解決を自らできることが求められる人 小集団活動などでリーダー的な役割を担っており、改善活動をリードしている人 |
3級 |
QC七つ道具などの個別の手法を理解している人 小集団活動などでメンバーとして活動をしている人 大学生や高専生、工業高校生など |
4級 |
これから企業で働こうとする人 人材派遣企業などに登録されている派遣社員 大学生や高専生、高校生など |
QC七つ道具とは?
対象像に出てきたQC七つ道具とは、品質管理を行うにあたり、現象を数値的/定量的に分析するための技法。企業において品質に関して発生する問題の80~90%程度は、QC七つ道具の知識があれば十分解決できるとされている。主に数値データを扱う「QC七つ道具」と言語データを扱う「新QC七つ道具」の2種類があり、QC検定の4級は「QC七つ道具」が、上位資格の1〜3級はどちらも試験範囲に含まれる。七つ道具の内容は次のとおり。
【QC七つ道具】
- パレート図
- 特性要因図
- チェックシート
- ヒストグラム
- 散布図
- グラフ
- 層別
【新QC七つ道具】
- 親和図法
- 連関図法
- 系統図法
- マトリックス図法
- アローダイアグラム法
- PDPC法
- マトリックス・データ解析法
なお、品質管理検定では各級の「認定する知識と能力のレベル」「対象となる人材像」「試験範囲」を品質管理検定レベル表(PDF)にて定めている。また、各級に求められる知識内容を俯瞰できるよう、レベル表の補助として次の2つの表も公開されているので、ぜひこちらも参考にしていただきたい。
各級の合格基準
各級の合格基準は次のとおり。なお、合格ライン、配点などについては公開されていない。
- 【1級(aかつbかつc)】
- a. 一次試験(手法分野+実践分野):各分野の得点がおおむね50%以上であること。および、二次試験の得点により総合得点(手法分野+実践分野+論述)が70%以上となる可能性があること
- b. 二次試験(論述):得点がおおむね50%以上
- c. 総合得点(一次試験と二次試験の合計点)がおおむね70%以上
- ※1級受検者の中で、一次試験のみ満足した場合は「準1級」として認められるが、合格証は発行されない
- 【2級/3級】
- 出題を手法分野・実践分野に分類し、各分野の得点がおおむね50%以上
- 総合得点がおおむねね70%以上
- 【4級】
- 総合得点がおおむね70%以上
検定の概要
第23回QC検定の試験概要は次のとおり。
試験日 | 2017年3月19日(日) |
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申し込み期間 |
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受検資格 | 各級とも特になし |
受験料(すべて税込み) |
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試験時間 |
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