WeWork Japanは、主にオフィス内で勤務し、従業員20人以上の企業に勤める人1000名を対象に、「コロナ禍長期化における働き方」に関する調査を実施。経営者・人事・総務および従業員の意識調査についての結果を発表した。調査期間は2021年7月28日~30日。
経営者・人事・総務が人事制度、人事施策上重視していることのトップ3は「従業員の教育、能力開発」が50.0%、「雇用の維持、保証」が48.8%、「健康管理やメンタルヘルス対策」が48.6%。一方で、「ウェルビーイング(社会的に健全で持続的な幸福を感じられる状態)実現への取り組み」は9.2%だった(上表)。働く上での重要な価値観として「ウェルビーイング」を選んだ従業員は42.6%もいる(下表)のと対照的である。
「コロナ禍以降のオフィスの役割として重要だと思われるもの」についても、「集中して仕事に取り組める場所」と回答した経営者・人事・総務が62.4%いる半面、「ウェルビーイングを向上させるための場所」と回答したのは9.0%にとどまった。
また、コロナ前に比べて精神面の負担、疲労が増えたと回答した従業員は34.8%。身体面の疲労や業務量の変化よりも精神面の負担、疲労を挙げる人が上回った。
さらに従業員に対し、コロナ禍以降の働き方において、業務上感じている課題を3つまで尋ねた質問では、「精神的な疲労や負担」が30.2%と最も多く、「チームワークやコラボレーション機会の維持、確保」が29.4%、「モチベーションの維持、強化」が28.4%と続いた。身体的な疲労よりも精神的な疲労や負担を挙げる人が14ポイント高く、コロナ禍では従業員の精神的なケアが必要なことが分かった。
経営者・人事・総務が従業員の健康管理やメンタルヘルス対策を十分重視しているにもかかわらず、こうした調査結果が出てくるのは、ウェルビーイングという視点の欠如も理由の一つかもしれない。