日本の労働人口が減少の一途をたどっている現在、来日して学ぶ「留学生」の採用は、企業が人材を確保する上で欠かせないパスになる可能性があります。本連載では、日本で就職した留学生にその理由や入社に至る過程などを聞き、就職先として選んでもらうためのポイントなどをお伝えします。今回は筆者の専門ゼミに所属し、コロナ禍の2022年3月の大学卒業後、杜食品(としょくひん)工業株式会社に就職した中国籍の毛勇(モウユン)さんのケースを紹介します。
毛勇さんの就職のケースを紹介するにあたり、2022年8月13日に東京・上野駅で待ち合わせて、次の5つの点についてヒアリングを行いました。
- ①杜食品工業では、どのような仕事をしていますか
- ②杜食品工業は、どのような方法で見つけましたか
- ③杜食品工業に就職するまでの過程を教えてください
- ④正社員として働くにあたって不安だったことや、企業に解決を助けてほしいと思ったことはありますか
- ⑤採用に至る過程において、改善されるとよいと思った点はありますか
杜食品工業では、どのような仕事をしていますか
2022年3月に日本経済大学を卒業後、東京・墨田区にある杜食品工業株式会社の営業センターで正社員として働いています。杜食品工業はさまざまな事業を展開していますが、主に食品製造と輸入販売などを行っています。私は、これまでに得た知識や経験を活かして、国際販売業務などを含めた多様な業務に携わっています。
日本の皆さんは干豆腐(かんとうふ)をご存じでしょうか。中国ではさまざまな料理に使われる食材で、私たちは干豆腐の製造・販売に力を入れています。最近では東京の池袋や新大久保などにある日本人が利用するお店でも干豆腐が少しずつポピュラーになってきてはいますが、これまで中国人にだけ身近だったこの食材を、日本や海外の市場にさらに流通させられるよう頑張っています。
会社内の日々の業務では、中国語も日本語も使いますが、国際販売業務でより活躍するためには、英語の勉強をさらにしなければならないと痛感しています。
杜食品工業は家族経営でとてもアットホームな会社です。社長をはじめお互いの距離が近いので、従業員同士で連携が取れています。現在、従業員は中国国籍を持っている人がほとんどなので、職場内は中国企業の雰囲気に似ていますが、社長や従業員も含めて日本で生まれ育っている人もいるため、働き方や社内のルールなどには日本社会で一般的なものが取り入れられています。
杜食品工業は、どのような方法で見つけましたか
杜食品工業は、同邦の友達の紹介がきっかけで見つけることができました。2019年、当時大学2年生だった私は、東京・銀座の中華料理屋でアルバイトをしていたのですが、そこで同邦の友達と知り合いました。その後2021年には順調に大学4年生になったものの、日本での就職活動は思うように進みませんでした。
そんな中、2021年12月頃に、銀座の中華料理屋で知り合った同邦の友達から杜食品工業を紹介してもらい、そのまますぐに同社でアルバイトスタッフとして採用されました。2022年1月頃には、社長から幸運にも内定をいただき、大学卒業前に日本で就職できました。同邦の友達も杜食品工に就職して働いていますが、彼もまた同社に知人がいたことがきっかけで就職がかないました。
この記事は参考になりましたか?
- ケースに見る留学生の就職連載記事一覧
-
- 【総括】ケースに見る留学生の就職の共通ポイント
- 【ケース③】留学生グエン・ヴァン・リンさんの就職──監理団体の正社員を目指したわけ
- 【ケース②】留学生 毛勇さんの就職──卸売業の正社員を目指したわけ
- この記事の著者
-
竹内 健太(タケウチ ケンタ)
明治大学法学部法律学科卒業。広告企業でイベント制作やテレビコマーシャル制作業務従事後、日本語教師に。その後、タイに渡り現地の大学と日本語学校において様々な国籍の日本語学習者と接する。帰国後、都内日本語学校非常勤講師を経て、現在、日本経済大学経営学部経営学科専任講師。海外での様々な経験や体験を活かし、外国人として異国...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

